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Asian Dub Foundation - Enemy Of The Enemy [Artist A-C]

音楽に政治を持ち込むのは決して得策ではない。それは、両者を合わせることに、どうしても無理が生じるから。政治的活動としての音楽と考えれば、その有効性が疑われるし、純粋に音楽性を追求するときに、政治的要素はほとんど関係がない。そういう困難がある中で、政治的・文化的な抑圧をテーマに掲げ、自らに「Asian」などといかにも受けない名前を冠して活動するADFは、さながら自ら重荷を背負い、足かせをはめて戦いに望んでいるような人たちです。ただ、そういう無謀ともいえるまじめさとわかりやすさが、共感を呼んでいるのも確か。こと「アジテーション(扇動)」に及んでは、これほどうまく音楽に溶け込ませている人たちはそうそうおらず、本人達にとってそれが皮肉なのかどうかはともかく、それだけで聞き手はみんな舞い上がってしまいます。

本作は、そのアジテーションだけを純粋培養させたようなパワーに溢れた力作。これをカーオーディオに乗せて走ると、無性にアクセルを踏み込んで暴れだしたくなってくるという、極めつきの危なさです。パンキッシュなギターとタブラや中近東サンプリングのブレンドは独特の高揚感を生み出し、そこにまさに民衆を扇動する高らかなラッパーたちの叫びが乗ると、もうあなたも一緒にこぶしを上げている。やっている本人達も、ここでは割り切っているところがあって、もろもろのメッセージを迷彩色の音の勢いに任せて、思いっきり放出することに専念しています。たぶん、これでいいのです。音楽によって世界が変わらなくても、それは音楽の責任ではない。こうしてひとりひとりが、力強く活力に満たされていくことこそが一番大事なのです。


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