So-net無料ブログ作成
検索選択

Sigur Ros - Takk... [Artist S-U]


「現代のハーメルンの笛吹き男たちがもたらすもの」
ハーメルンの笛吹き男の民話。ネズミを退治したお礼をしてもらえずに、代わりに町の子供達を笛の音色で惹きつけて連れ去っていった話。Sigur RosのGlosoliのPVを見た人は誰でもこの話を思い出すはずです。太鼓を持った少年が、次々に少年たち少女たちを集めながら、灰色を基調としながらも美しい詩的な景色の中を歩いていきます。やがて子供たちがたどり着くのは、大洋に向かって突き出る断崖絶壁。しばし立ちすくむ子供たち。やがて一段と高らかに太鼓を鳴らしたかと思うと、ワーッといっせいにその断崖絶壁の縁に向かって駆け出す彼ら。ああっ、脳裏にいやな予感が。「ひめゆりの塔」が。U2のOneのアートワークにあった、崖から猛然と落ちていくバッファローの群れが(原典は、聖書の悪霊を背負った豚の群れが、崖から落ちて自害する話)。やはりこの世に子供たちの居場所はないのだろうか・・。そして、彼らの足が崖っぷちから離れた瞬間、一つの奇跡が起きます。彼らは海の中に落ちていかず、大空に向かって泳ぎだしていく。空が大海原と一体化したプールの中を、気持ちよくかぎ分けながら、彼らは平泳ぎの鳥となって飛び立っていく。

この美しすぎる映像がかもし出す浮遊感。子供たちが泳ぎだしていく空間が象徴する希望や夢や救い。これこそがSigur Rosが鳴らす音楽の世界。本作は、今までにないくらいに叙情的でやわらかく、情感に溢れています。体の芯から揺さぶるような感動を呼び起こすこの作品は、彼らの願いの結晶であり、きっと今の世界の祈りでもあるのだと思います。

かつてMorrisseyは、Love, peace and harmonyは「Maybe in the next world(次の世界でね)」と歌い、筆者も長くそう思っていました。けれでもSigur Rosが奏でる音楽を耳にした2005年、もしかして「This world(この世界)」でもそれは叶うのかも。いや、叶い続けなければいけないのかも、と思うようになりました。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。