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The Flaming Lips - Yoshimi Battles The Pink Robots [Artist D-F]

The Orbがナメクジと戦う老夫婦であるならば、Flaming Lipsはピンクのロボットと戦う日本人少女ヨシミの物語です。この場合のYoshimiとは、元BoredomesのYoshimi P-weのこと。確かに彼女ならば、ピンクだろうとパープルだろうと、ロボットだろうとエイリアンだろうと戦える気がします。もっともここではトラック4で、バックに陽炎のように漂う絶叫がきける程度の参加なのですが。

Flaming Lipsはもともとかなりパンキッシュでガレージっぽい乗りのロックバンドだったのですが、ひょんなことでリリースした幻想的でプログレっぽい音が非常に好評で、以降そういうスタイルに転向した転身組です。筆者はこういう音のルーツはThe BandのMusic From Big Pinkにあると、勝手に思っています。Flaming Lipsの「Pink」もここから取ったに違いないと勝手に決め付けています。60年代のアメリカのフォーク・ロック。Bob Dylanというあまりにも巨大な存在がある中で、どのように音楽アーティストとしてオリジナリティを出して存続していけるのか。サイケデリックを意識しつつも、自分達に根付くトラッドな基盤を捨てきれずに、悩みぬいてたどり着いた自己表現のスタイル。ここから始まった音楽は、その後も長きに渡って進化し続けていると思います。

Flaming Lipsも、「普通のロック」から抜け出そうとしながら、極端な飛躍をせず、その境界線上を自分たちの居場所を求めてさまよっています。ただそれは決して中途半端な行為ではありません。自分たちの感性に忠実で、かつ探究心に満ち、十分に創造的な音楽を作り出すことに成功しています。奇をてらったタイトルに頼ることなく、むしろそういう意味ありげなコンセプトに惑わされることなく、聞き手は楽曲そのものの面白さや、浮かび上がってくる不思議な音群に身をゆだねることができます。ふわふわした浮遊感や、頼りなさそうに震えるボーカルは、物語やコンセプトを語るためにあるというより、さまよい続ける行為そのものを楽しみ、それはそれでいいのだという悟りの境地から発せられているように感じます。Ego Tripping At The Gates Of Hellというタイトルに、このあたりのニュアンスがよく現れているのではないでしょうか。

こういうバンドがいてくれることは非常に貴重なことであり、かつ大切なことだと思います。すべてのバンドが、Egoの趣くまま転ばずに走り、地獄か天国の門をあっさり通り抜けてしまうような音楽の世界は、面白くないだけでなく、とっても疲れます。


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