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Coldplay - X & Y [Artist A-C]

Coldplayの音楽はU2に似ているといわれます。ギターのリフや、情緒的なメロディラインは、間違いなくU2サウンドの系譜の上にあると言えるでしょう。ただ同じではない。本質的なところで両者は異なると思います。

U2が民衆を率いる自由の女神であるとするならば、Coldplayはそれに続く民兵のそばに立ち、くじけそうになるところを励まし続ける軍医のような存在です。「自由」が共通のテーマであったとしても、その実現の仕方がいくとおりもあるように、両者は響きあうことこそあれ、打ち消しあうことはありません。常に時代と対峙し、臆することなく信念を貫こうとするU2は、双肩に全ての期待を背負い込みます。With Or Without YouやOneなどがかもし出す哀しい美しさは、時に絶望が見えたとしてもその先を目指さざるをえない、先導するものの宿命からにじみ出てくるものです。

Coldplayは、自然体です。抜けるようにファルセットに移るChris Martinの声は、戦いではなく和解をイメージさせます。琴線を直撃するサウンドは、私たちの一番敏感な心のそばに立つからこそ出せるもの。そこに立てるのは、身近だからです。Coldplayはスーパースターで遠い存在なのですが、なぜか私たちと等身大なのです。

本作に、Fix Youという名曲があります。うまくいかないとき、恋に破れたとき、君の光でありたい、という素朴な歌ですが、Try to fix you(よくしてあげようとしてみる)というスタンスです。誰しも、悩みのどん底にいる親友のそばに立った時の無力感を味わったことがあるはずです。どんな言葉も慰めにならず、自分の力では何も解決できないことがわかっている。自分がそこにいることすら申し訳なく感じるとき、try to..とささやくことが精一杯ではないでしょうか。

U2と肩を並べて先導できるほどのステータスと力量を持ちながら、素朴な日常に居続けてくれることがColdplayの素晴らしさです。今日も雪の中、肩を縮めて寒さを防ぎ、Fix Youをリピートにかけながら帰り道を歩いてきました。


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HPでクリスの人柄の紹介を読んだのですが。あれ程成功しても変わらず、なお謙虚でつねに相手を気遣うことができるとは、すごい人だなぁと思いました。きっとそういった事が音楽にも表れているのでしょうね。
「Fix You」は好きな曲で、聴いているとなんだか泣きそうになってしまうのですが、この記事を読んでいると同じ感動を覚えます。
by (2006-01-22 23:42) 

ezsin

そういう謙虚さがあるから、人々にこれだけ受け入れられるのでしょうね。Coldplayには遠く及びませんが、同じように感じていただけたとすれば、こんなうれしいことはありません。
この記事ももちろんFix Youを聴きながら書いていましたので、心が伝播したのかもしれません。
by ezsin (2006-01-24 13:29) 

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