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James - Millionaires [Artist J-L]

長いキャリアを誇っていたJamesですが、2年ほど前に解散してしまいました。去年、フロントマンのTim Boothがソロ作品を発表し、夏のフェスで元気なところを見せていて、ファンとしてはほっと安心です。

The Smithsとともに「まぎらわしい人名バンド」としてよく比較され、Brian Enoをプロデューサーに起用することでU2とも比較され、そのたびに軍配が相手に挙がり、万年中堅バンドというありがたくない称号を長きに渡って与えられていました(そういえば今思い出しましたが、The Smithsのデビューアルバムを近くのレコード屋さんに予約しに行ったときに、どうしても通じなくて、「スミス?巨人のスミスですか?」という言葉に絶句したものです。←当時、巨人にレジー・スミスという助っ人がいて、ちょうど同じ時期に歌のレコードを出そうとしてたのです・・)。James解散の報を聞いたときは、そこそこがんばった中間管理職のおじさんの定年の場面が浮かんでしまって、複雑な心境でした。

そういう世間の認知とは裏腹に、素晴らしい作品を残した、80年代から00年代前半期のブリティッシュロックを代表するバンドだと思います。Gold Mother、Laidなどがまず挙がる名作ですが、ここでは最終作から2番目の本作を取り上げます。

本当に豚に真珠をかけたジャケットと、Millionairesというタイトル。かなりブラックに近いジョークを乱発するTimですが、ここでもそのスタンスを崩していません。Crash、Just Like Fred Astaire、Afro Loverなど、彼らのカタログの中でも、特にポップで元気のいいナンバーを含め、どの曲も違った面での輝きを見せ、彼らの作風の多彩さとその聞かせ方のうまさに、唸らされます。

Timのあまりにきつい皮肉でずいぶん損をしていると思うのですが、きつければきついほど、その強がりの裏で隠そうとしてる葛藤-怒り、矛盾、愛の渇望-に思いが向きます。皮肉の合間合間に見せる穏やかなサウンドが、そのためにとても切迫して聞こえてきます。宇宙的な広がりをもつ終曲Vervaceousは、いつかくるであろう開放されるその日に向けて静かに語りかけているようです。惑星間の塵の中を漂っているような美しいエンディングで合流しているのは、Sinead O'Connerです。


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