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Cat Power - The Greatest [Artist A-C]

衝撃の作品です。
どういう風に衝撃的かというと、ちょうどTom WaitsのRain Dogsが出たときと同じような。突然変異のように、まわりのすべてのものとあまりにもかけ離れていて、表現する言葉も、位置付けすることすらできない。まったく聞いたことのない圧倒的な作品の魅力を前に、完全に打ちのめされるような。

まずありふれた表現を試みると、まるでドラム缶の中で録音したかというぐらい、小空間の中で反響しまくるピアノとギターとブラスとChan Marshallの声。フォーキーでレイジーな彼女の音楽を、サザンロック風、ソウル風な世界で遊んでみた、ということなのでしょうが、そういう表現の限界を超えた、危険な芳香がぷんぷんと放出されています。彼女の声の「毒」でバタバタと人が倒れるのが見えるほど。

子猫+小悪魔
この組み合わせで思い描くそのものが、Cat PowerことChan Marshallです。
猫がもつ、愛らしさ、いじらしさと、あの目の奥のゾッとする冷たさ。のどを鳴らして擦り寄ってくる毛並みのやわらかさと、一瞬の殺意をこめた爪の引っかきの痛さ。
いくつになっても変わらない、無垢なかわいらしさと、途中で演奏をやめたり、何度もやり直したりするライブのいい加減さ、か弱さ。媚びず飾らず、そのままにさらけ出すざらざらした感触と、それでも生まれる吸い込まれるような陶酔感。シーンのあらゆる音楽をてんで無視しながらも、シーンを越えた共感を生み出すことのできる歌の引力。
誰もが近づこうとし、誰もが触ることができない。誰もが救おうとし、誰もが溺れてしまう。

Femme Fetaleを思わせるアーティストは多いですが、その中でも彼女はその孤高の音作りゆえ、さらに手の届かない高みで漂っています。必聴の問題作。心悩ましき媚薬。


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コメント 2

アメリカにいらっしゃるのですね!びっくりしました。Yo La Tengoは耳にすると、いいなぁと思うのですが、CD持ってなくて、、、。
Cat PowerのHP観ました。あの曲何回も聴いてしまいました。声もルックスも素敵。ジャケットのカラーも好きです。
さっきなんとなく、久々にヴェルベッツを聴いてみました~
by (2006-01-26 20:50) 

ezsin

そうなんです。4日間の短いステイですけど。これから帰ります。
ところで、こちらも「着うた」がすごくポピュラーみたいです。
新聞によりますと、昨年一番人気だったのは50 CentのCandy Shopだとか。1曲50 Centというわけではないようですが($1)。
あと、ゲイのカウボーイ映画「Brokeback Mountain」がすごい盛り上がり。内容の評価が高いのに、かなり強烈な映像のおかげで、日本公開は未定とか。これでアカデミーとか取ってしまったら配給元は悩んでしまうでしょうね。
Cat Powerもそういう今の「濃い」アメリカに合っているのかも・・。
by ezsin (2006-01-26 21:35) 

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