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Galaxie 500 - On Fire [Artist G-I]

雪といえば、Galaxie500のListen The Snow Is Falling(オノ・ヨーコのカバー)と、本作のSnowstormを思い浮かべます。二つの曲に共通するのは、雪そのものについての無頓着さです。オノ・ヨーコの「世界各地に真っ白い雪が降る」という平和への願いはどこかに追いやられ、その素朴なメロディが、Naomi Yangのボーカルに合うことと、延々とインプロに陶酔するのにちょうどよいテーマであること、だけの理由で取り上げているところがあります。

Snowstormはもっと割り切っていて、ラジオから流れてくる大雪警報に、仕事ができないじゃないかと悪態をつく、ただそれだけのそっけなさ。もっともそのサウンドは、夢見心地のリフとコーラスで、見事に雪の幻想的な感覚を想起させるのだから不思議です。このとぼけたミスマッチが、Galaxie500の最大の魅力と言っていいのかもしれません。

本作を語る上で、メンバーのNaomiの回想文がどうしても頭から離れません。解散してずっと後に発表されたBoxセットのライナーノーツの中で彼女は、本作の完成テープを聴いたときの様子を「もっとも幸せだった瞬間」と言っています。実家の自分の部屋で、外灯の明かりが窓から差し込むだけの暗い中、仕上がったばかりのテープを安物のカセットプレーヤーで聴き、自分たちの成し遂げたささやかな成果に感激して、一晩中ひとりで聴き続けた、というエピソード。

もともと、大学の生協で二束三文で売られる中古レコードが入ったバスケットを見て、こういうところに入るようなアルバムを作るバンドをやろう、と始めた彼ら。無欲というより、貧弱と言ってもいいそのスタンスは、彼らの音楽にも如実に反映されています。皮肉にもそういう飾らない姿勢が、誰にも真似のできないオリジナリティにつながっていきました。2作目の本作はまさにその到達点に位置する作品です。

Daren Warehamのまとわりつくようなギターと、プロデューサーKramerの飴玉のように甘い音作り。ベルベッツ・チルドレンと言われることが、いいことなのか悪いことなのか。おそらく彼らは、そんなことも気にしないのでしょう。二束三文どころか、オリジナル盤がプレミアムで取引される伝説的な存在になっても、ちょっとした誇りぐらいにしか思っていないはずです。


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