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Coldcut - Sound Mirrors [Artist A-C]

何と8年ぶりの新作です。確かに言われてみればそれくらいになります。数々のリミックスや、実験的なオリジナル作品を発表していながら、あるときからフッと視界から消えていました。そして背中からワッとおどかされるように唐突に現れた本作は、長いブランクの間に圧縮された全てのアイデアが、パンドラの箱を開けたのごとくにあたり一面に弾けまくる、とんでもない作品です。

密度が濃い。面白い。刺激的で目がくらむ。椅子からひっくり返ります。
どこから始めればいいのでしょうか。まずゲスト陣ですが、一番のオドロキは、Just For The Kickに参加のAnnette Peacock。60年代から前衛ジャズにその名前がちらちら見え隠れする知る人ぞ知る人。というより、何でこんなところにいきなり出てきて、活きのいいカットビート(注1)にこんなかっこいい声で登場できちゃうの??、と一瞬不思議+その後感心してしまいます。

Jon Spencer参加のEverything Is Under Controlは、Blues Explosions + Beastie Boys + OnU Soundのヘビーで鉛の塊のような音。Roots Manuva参加のTrue Skoolは、タブラ&妖しいインディアンコーラスに乗った、マハラジャ・ヒップ・ポップス(注2)。Mr. Nicholsは、シネマティックなサウンドトラックに乗った、Saul Williamsのドラマティックで艶のあるトークソング(注3)。などなど、この作品を語るためには造語を次々に作る必要があります。

Boogiemanは、呪文のように「I am the boogieman」をひたすら唱えて、トーテムポールの周りを踊りながらトランス状態に入るアブナイ曲。途中でColdcut得意の生ドラムの連打のコラージュが、雷のようにトーテムポールに落ちてきます。そんな中でシングルカットされたMan In A Garageは、なぜか情感たっぷりのミディアムテンポのギターロックナンバー。と、こんな感じで延々と続くのですが、これだけの不可思議で先鋭的なコンテンツでありながら、最初から最後まで、スーッと軽快に、ダンサブルに聞けてしまう大衆性をしっかりと兼ね備えています。

オルタロックからビート、ジャズ、ダブ。Coldcutが追求するのは、現在シーンにあるアシッドで刺激的な素材を使って、どれだけ面白いエンタテインメントが作れるかというテーマ。名前のとおり、切れ味鋭い冷たいナイフで容赦なく音の既成概念に切り込み、誰も想像できない奇抜な造形物を作り上げる。これが彼らの流儀であり、音の職人としてのプライドです。


1. カットビート:cut & paste的なbreak beatsを意味する造語
2. マハラジャ・ヒップ・ポップス:「踊るマハラジャ」のように冗談なのか真剣なのかわからない、超楽天的なエネルギーに溢れるポップなヒップホップ
3. トークソング:語りと歌の中間的な発声法を意味する造語


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コメント 2

昨日の夜、重かったので今日まとめてコメントしてなんだかすみません。ColdcutのHP観ました。デザインがかっこよくて斬新ですね。全体的なカラーも好きです。試聴も数曲しました。「Everything Is Under Control」は少ししか聴けなかったけど、かっこよさは十分感じました。
「Man In A Garage」はPVも観ました。ミステリアス。映像のカラートーン良いですね。曲もかっこいいです。
by (2006-02-05 22:36) 

ezsin

本当に重いんで苦労してます。
コメントちゃんとレスしますので、待っててくださいね。
HPチェック、サンキュです!
by ezsin (2006-02-06 01:43) 

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