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Mazzy Star - So Tonight I Might See [Artist M-O]

古い機械式のオルゴールを胸に抱いて、ダリのぐにゃり歪んだ時計のシロップの世界にどっぷり飛び込んで、くらげのように漂っている状態。Mazzy Starの音楽を形容するとすると、こんな感じ。それくらいHope Sandovalのボーカルは夢の世界から聞こえてきます。きっと自分のキャラクターをおとぎ噺の人形になぞらえているのでしょう。現実の痕跡を全て絶って、この世に存在しないかのような雰囲気を作り出しています。

80年代に起こったサイケ・リバイバルの系譜で語られることが多いですが、今に続く伝説を生きている気がする。そもそもPaisley Undergroundなどといっても誰も覚えていない。過去のムーブメントはそこで完結しているけれども、Mazzy Starの妖気は今も漂う。Chemical Brothersは、99年のSurrenderで、この現代のローレライに敬意を表しています。グワングワンに効いたエコーの中から突然聞こえてきたHopeの「Asleep From Day」。その声が流れだしたとたん、空は灰色がかり、鏡に写る雲がぐるぐる回りだす。この「いっちゃってる感覚」は、まさに当時のクラブ・シーンが追い求めていたものでした。この曲のシュールな世界は、当時のAir FranceのCMで見事に映像化されました(解説によるとCMに登場するレコードは何とMazzy Starのものらしい。こういうマニアックなこだわりって素敵です)。

本作は、たった3枚のMazzyの作品の2作目。オルガンの震えと、がらんとした空間にこだまするギター。最小限の音だからこそ、深遠。レイドバックしてフィードバックしていて、静かにノイジーでノスタルジック。カントリーやブルースのかけらが散らばる上を、延々と繰り返される快楽のリフ。そしてそれら全てを包みこむ空気のようなHope Sandovalの声。彼女は妖精なのか、それともバンパイアなのか・・


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コメント 2

冒頭の文章に魅せられました。HPで見ましたが、3作ともジャケットもいいですね。裏ジャケまで。本作を試聴しました。Paisley Undergroundと評されるのも分かる気がしました。
「Surrender」久しぶりに聴いてみました。「Asleep From Day」は繰り返し聴きました。知らずに彼女の声や音楽を聴いていたのですね。
CMもとても良かったです。
by (2006-02-16 23:00) 

ezsin

Among The Swanのアートワークがとてもいい感じ。
「Hope」っていい名前ですよね。
by ezsin (2006-02-17 00:59) 

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