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The Residents - The Warner Bros. Album [Artist P-R]

今回はちょっと変わったレビューです。
まず形どおり、音の説明をします。1曲目は、BeatlesのStrawberry Fields For Everの、めちゃくちゃな演奏と歌の27秒。2曲目は、おもちゃの太鼓や笛がなる中で、これまたでたらめなピアノが、がちゃがちゃ鳴る1分10秒。3曲目は、魚屋のオヤジの掛け声のような調子で、「baby skeletons and dogs」とひたすら繰り返す1分28秒。万事こんな調子で全40曲。告白しますと、まじめに全部聞いていませんし、とても聞けたものではない。ではいったいこの作品は何なのか?

The Residentsは、アメリカの前衛音楽パフォーマンス集団。いつも鬼太郎の目玉おやじの仮面をかぶっており、正体不明。「秘密会社」を通してしか情報を流さず、そこの「会社員」もResidentsのことは、何も知らないとされている。デビューアルバムMeet The Residentsが、Meet The Beatlesのアルバムカバーを思いっきりおちょくっていて、Capitolから発禁処分。70年ごろから活動しているので、かれこれ30年以上。ただ正体が分からないので、同じ人たちがやっているかどうかもわからない。などなど説明はきりがないので、こういうサイトで確認してください。Beatlesとつくからには、似ているだろうと思ったら大変です。大やけどをします。とにかく徹頭徹尾、人を食っている人たちです。

伝承によると、彼らは活動最初期にデモテープをレコード会社のワーナーに送った。当然のことながら、それは送り返されてきたですが、もともと自分達の名前を書いていなかったので、宛名が「To The Residents」となっていた。そこから自分達のバンドの名前をとった、ということになっています。

そのいわくつきのデモテープの内容が、本作Warner Bros. Album。-だと思います。「だと思う」のは、筆者の手元にあるのは、ひょんなことでネットから入手したmp3で、本当にこれが本物なのかどうか、わからない。もともと正規のカタログに乗っている作品ではないので、確認のしようがない。聞いたところ、それっぽいのですが、もしかして大嘘かもしれないのです。では、なんでそんなインチキくさいものを、ここで取り上げるのか?

The Residentsの作品は、John Cageの一連の前衛作品(4'33"のような単なる静寂など)や、Andy Warholの映画(何時間もエンパイア・ステート・ビルを撮ったものなど)と同じようなところがあって、作品そのものを鑑賞するより、鑑賞行為や、作品の中身が持つ意味に、意識を向かわせる意図を持っている。本作も、内容そのものよりも、返送されてくるのを承知の上で、「返送される」という事実を作るため、そのエピソード自体に目を向けるためだけに存在していて、中身はほとんど意味がないのです。そして、そんな中身の意味のないものの、真贋もわからないmp3にどんな意味があるのか。ますますわからない。さらには、そういう意味不明の音楽について、テキストでレビューを書いている、というこの記事の奇妙さ。

これら全てが、The Residentsに対するオマージュなのです。アイロニーと自己倒錯に満ち、ポピュラーミュージック史上、最高のパラドックスに対しての、筆者なりの「レビュー」の仕方なのです。


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