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The Pogues - If I Shall Fall From Grace With God [Artist P-R]

3月17日は、St. Patrick's Day。アイルランド人にとってのお祭りの日です。ずうっと昔の話になりますが、ニューヨークで、St. Patrick's DayにThe Poguesのライブを見たことがあります。見たというより体感したといったほうがいいかも。今まで経験した、もっともすごいライブだったかもしれません。アイルランドのシンボルカラーである、シャムロックのグリーンに合わせて、緑色のセーターを着こんでライブハウスに向かいました。会場はもちろんアイルランド系の人たちばかりで緑一色。しかも、がたいのいい大男ばかり。ただでさえ酒飲みの人たちなのに、年に一度の大騒ぎの日。空気にアルコールが充満していて、誰かがライターをつけたら爆発するのではないかと心配になるくらい。いざPoguesが出てきて演奏が始まると、ほとんど暴動状態。野球の優勝祝賀会のようにビールが降り注ぎ、頭上を人が飛んでゆき(いわゆる「ダイブ」ですね)、あちこちドツキまわされる始末。これが満員電車並みの混雑の中で起こるのだから、たまったものではありません。一緒に行った連れとは、途中ではぐれてしまいました。こけたら踏み殺されると思って、肘を張って踏ん張っていました。

そんな異常事態の中でしたが、不思議と怖さはなかった。ぶつかってきても、敵意も悪気もない。危害を加えられる気はしない。それこそお祭りなのです。お神輿を担いでいるのと変わらない。違いは、神輿ではなく人を担いでいるのと、日本人が自分たちふたりということだけ。そしてその喧騒の油に火を注ぎ、大きな風で扇ぎまくっていたのが、Shane MacGowan率いるアイリッシュ・バンドThe Poguesだったのです。

あきらかに酔っ払っているShaneはよれよれながらも、かえって声は通っていたような気がします。本作からの曲も数多く演奏され、おそらくFiestaで会場が一番爆発したと思います。何しろ全てが大騒ぎなので、よく覚えていないのです。

Poguesは、まさにお祭りバンドでした。
「酔っ払いが、トラッドなバンドで、パンクを演奏する」
この説明だけでも、その陽気な楽しさが伝わると思います。バンジョーやアコーディオンが織り成す、懐かしくも、うきうきするサウンド。踊りきれないほど早急なビート。それを、一番頼りない、しゃがれてルーズなShaneの声が引っ張っていく。時には取り残されてしまうこともありますが、このバンドの性質を決定付けているのは間違いなくShane。彼が救いがたいほど壊れているときは、バンドが演奏で補い、バンドがチープに響くときは、Shaneがドスを効かせる。この不安定なやじろべえ状態がPoguesを輝かせる原動力でした。

あの夜、奇声を上げながらギネスを飲み干し、あたりかまわずぶつかっていた、陽気な赤ら顔の男たち。思えばみんなShaneに成りきっていたのでした。

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そして、たぶん17年ぶりでしょうか、St. Patrick's Dayをニューヨークで迎えようとしています。今はまだ少しはなれたところにいるのですが、17日の夕方から一晩だけニューヨークに泊まることになりました。一瞬の滞在ですが、すごい巡り会わせを感じます。明日(こちらはまだ16日夜)、少し趣向を変えて、ニューヨークレポートができれば、と思っています。


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コメント 2

シャムロックのグリーンについて、読みました。勉強になりました。
昔日本のバンドで居た、シャムロックもここから命名したのでしょうか。結構好きなバンドでした。
ベスト盤を試聴してみました。「ミスティ・モーニング」や「サニー・サイド・オブ・ストリート」などがいいなぁと思いました。とても貴重なライブを体験されていたのですね。そしてまた、ニューヨーク!!いいな~かっこい~。
by (2006-03-17 23:13) 

ezsin

St. Patrick's Dayは休日というわけではありません。ただコミュニティによって、アイルランド系の人が多いところは、みんなで休むそうですよ。ニューヨークでも本当はパレードがあったのですが、到着が夜だったので見ることができませんでした。Poguesも、いまだ健在ということがわかって、何だかとても不思議な感覚を味わった一日でした。明日は日本に帰ります。
by ezsin (2006-03-18 18:22) 

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