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Ben Harper - Both Sides Of The Gun [Artist G-I]

2枚組みのアルバムというのは、作るほうも聞くほうも大変です。内容的に2倍にしなければいけない、というのはもちろん、どのように聞き手を惹きつけておくかを考えなければいけません。聞く側も、1時間以上付き合わなければいけない、と相応の覚悟がいりますし、どうしてもスキップしたくなる曲が出てきて、途中でだれてしまう。Ben Harperの新作の2枚組みを前にして、正直、躊躇がありました。比較的オーソドックスな曲のつくりに、どちらかと言うと詩を聞かせるタイプのアーティストですから、長丁場もつだろうかと不安になったのです。結論は、そんなことを考えたことが恥ずかしくなるくらい、最初から最後まで、一気に集中して聞かせる見事な作品でした。

フォーキーで静的な1枚目と、ブルージーで動的な2枚目と、性格がはっきりと分かれています。パーソナルなテーマを、しんみりじっくりと聞かせた後に、「でももっといい方法があるはずだ」というBetter Wayで、一気にギアチェンジをする。Benの心象の変化をうまく捉えた構成になっています。どの曲をとっても、個性の輪郭がはっきりしており、ワンテイクが多かったことが納得できます。決して派手な音作りではありませんが、表情豊かなギターソロを軸に、「ロックの基本」というサウンドに仕上がっています。

ニューオーリンズを襲ったKatrinaのことを歌ったBlack Rain。抜け出せない戦争を歌ったBoth Sides Of The Gun。やるせなさと怒りを込めながらも、その先の無力感をも見据えているかのように、多くを語りません。Better Wayと叫びながらも、その先の解決は、聞き手に、未来にゆだねられている。ラストのServe Your SoulではBob Dylanさながらに、「風はうそをつかないから耳を傾けよ」とまで言っています。

Ben Harperのような語り部は、どんな時代にも必要です。必ずしも政治的な力がなくとも、これだけブログが発達して、伝達手段が増えたとしても、詩と音楽にメッセージを託す。時代の証人として、時代の声として、音楽を発する、ということは、人間の性なのだと思います。ここに「答え」があるわけではない。でも、歌いつなげていくことで、人間はここまでやってこれたのだと、いえるのではないでしょうか。


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「フェイデッド」を好きなだけ聴きたいがために買ったアルバムを1枚持っています。こちらも、少し前からPVが流れ初めて、かっこいいな~ひょっとして新作が出たのかな?と思っていました。2枚組の大作なのですね!
by (2006-03-24 20:37) 

ezsin

Faded、かっこいいですよね。
ニューアルバムはThe Will To Liveに近い音作りといえるかも。PV見たいなあ。
by ezsin (2006-03-25 16:49) 

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