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Brad Mehldau Trio - Day Is Done [Artist M-O]

このブログで作品を取り上げる基準は何だろう、とお思いかもしれません。もちろん気まぐれなので、はっきりしたものはありません。Brad Mehldauは非常に評価の高いジャズピアニストですが、なぜここで彼なのかというと、ライブアルバムで19分にも及ぶRadioheadのParanoid Androidを演っているから。何でRadioheadなんだろう。次はなんだろう、というのが、書き始めるきっかけだったりするのです。

1曲目のKnives Outでまず驚くのは、えっ、これDrum'n'Bassじゃない、ということ。もちろん合成音ではなく、生のドラムとベース。確かにこの焦燥感ともいえるスピードは面白いモチーフ。そういえばDay Is Doneはちょっと打ち込みを意識したようなドラミング。

Brad Meldauは非常に幅広い音楽に興味の食指を伸ばしています。先のRadiohead(Everything In Its Right Placeもカバーしています)以外にも、Nick Drakeというイギリスのフォーク歌手や、チャップリンの劇中歌などを取り上げている。もちろん、ポップロック界からネタを拝借すること自体は珍しくありませんが、Bradの場合は、その音楽の本質みたいなものを的確に捉えて、自分流に再提示する仕方がうまい。視点がいつも新鮮なのです。

それはピアノプレイに対するアプローチを見ても明らか。彼のスタイルというのを定義するのが難しい。というのも様々なスタイルを自在に使い分けることができるから。スタンダードにおける優雅なものから、Thelonius Monkのようなぼくとつとした味わいから、クラシカルなものまで。通常はBill Evansであればスタイリッシュ、Keith Jarrettであればパッショネイトなど、自己のスタイルにこだわるものですが、彼の場合は違う。様々なスタイルを自分の引き出しとしてもっておき、一つの曲の中でもその一瞬一瞬において変化の機微を楽しむように次々とスタイルを切り替えていき、全体として浮かび上がるパッチワークのような巧妙な構成に自分らしさを追及している。逆にこういうアプローチを取るためにこそ、あらゆる分野の音楽に手を広げ、引き出しを充実させているのだと思えてくる。

Turtle Townという曲も妙。何だか半音ずつところどころで音がずれている。まるで五線譜に描かれたメロディの音符を、ところどころ指で上へ下へずらしているような感じ。これも彼の創作に向かうユニークなアプローチ。全体が崩れているわけではない。むしろ崩れないように細心の注意を払いながら、可能なところでわざと音をはずしていく、そうすることで微妙なニュアンスを付けていく。その雰囲気はなんとなくのっそのっそしていて、ああそうか、これでTurtle Townなのかな、と思ったりする。

万事がこういう感じで、聞くのが面白い。ヘンな曲ばかりではない。She's Leaving Homeなどでは、端正な演奏を堂々と披露していたりする。そんな聞き手の心理もちゃんと頭に入っているエンタテイナー精神も含めて、すごいミュージシャンだと思います。

で次は何でしょう、Mehldauさん。Radioheadとの競演?う~ん、安易かな。


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HPのカラーや写真からして、おしゃれですね。試聴してみました。こういうのが友達からお勧めとして送られてきたら、びっくりしちゃいますね。かっこよすぎです!
余談ですが、New Order買いました。こちらもとってもかっこいいですね。もっと早く手に入れておくべきでした。
by (2006-03-31 21:14) 

ezsin

Siren's Call買ったんですね!ね、いいでしょう?こちらまでうれしくなってしまいました。
Mehldauさんは、若くてセンスがずば抜けていて、かっこいい。こういう感覚のミュージシャンにあこがれますね。
by ezsin (2006-04-01 04:05) 

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