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The Police - Synchronicity [Artist P-R]

Stingは、どの程度Policeをコントロールできていたのだろう。もともと蜂のような黄色と黒のタイトパンツを履いた教師だったくらいですから(そこからStingというあだ名がついた)、そうとう自己顕示欲の強い若者だったはず。2Toneとは異なるスカ・レゲエへのアプローチで、トンがったポップスを演る、というPoliceのコンセプトは大正解。ただ、YMOのように、決められたコンセプトの中で役割を演じることが、どこまでできていたのでしょう。

結局、制限された枠の中の表現にけりをつけ、ソロとなってアーティスティックなエゴを開放することで、大きな成功を収めたのはご存知の通り。何かに付けてPoliceをよく語らないStingですが、そんなに過小評価すべき過去なのだろうかと思います。

確かに単なるポップスターから、ジャズからコンテンポラリー・ナンバーまで、自在にこなせる「アーティスト」への転換は、本人の自尊心からは、好ましいことなのでしょう。一方で、高度になりすぎて、マニアックなリスナー層へのシフトがあったことは事実。また、スタイルの自在さから、「Sting」としてのイメージの一貫性が見えなくなってきているのも残念。それに対してPoliceは明快でわかりやすかった。

本作は、Policeというポップ・コンセプトと、Sting、Andy Summers、Stewart Copelandという、演じている有能なミュージシャンのエゴとがぶつかり合い、折り合いをつけようと模索してたどり着いた一つの臨界点。ポップ性と、創造性とが両立する見事な作品です。結果的には、決められた枠内で、一生懸命苦しむことで生まれる緊張感が、作品の質や出来を決定付けた。その両立させようとする手腕に、アーティスティックな天性は十分に発揮されていると思います。

わかっていながらも、このあたりの「身のこなし」は、ミュージシャンにとって難しいようです。YMOにしても、各人のソロ活動という「発散」がないとやっていけなかったですし、多くのバンドの解散劇からもそれは窺えます。面白いことに、そんな性分の持ち主のわりにStingは役者として映画に出たりしている。ただここでも、あくの強いSting、というキャラしか演じられていないのは何とも皮肉。もっとも、そんなこんなをいちいち気にしないところは、昔から変わっていない、彼のいいところです。

ずいぶんと辛口になってしまいましたが、Stingのファンとはそういうものではないでしょうか。


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コメント 4

鯉三

リアルタイムに聞いたのはSynchronicityですが、すぐさまPoliceの過去のアルバムにさかのぼっていったので、Stingのソロよりも、Police時代の作品に思い入れがあります。そう言いながらも、BRAND NEW DAY TOURの大阪公演にも行ってしまいました(笑)。

音楽の方向性や自我の強さなど、古いPoliceファンからは批判もあるでしょうが、彼のやっていることと比較できるミュージシャンは現在他にいないと思います。
by 鯉三 (2006-04-08 00:59) 

ezsin

お気持ちはよくわかりますよ!
私もなんだかんだ言って、ソロ時代の作品ばかり持っていたりする。Policeってあまりにテープとかで聞いていたので、改めて買うのに躊躇したりして(って貧乏学生のころの話ですが)。すぐさまさかのぼった鯉三さんは正解。

昔も今もStingはStingですからね。すごいと思います。
by ezsin (2006-04-08 17:17) 

StingのCDで唯一持っているのは、「TEN SUMMONER'S TALES」です。好きな曲もたくさんあるので、とても良く聴きました。Policeは持ってないので、あちこちで自然に耳にする曲しか分からないのですが、いいなぁと思います。
by (2006-04-10 21:51) 

ezsin

Summoner's Talesは、中世風の雰囲気がいいですよね。
曲も深みがあって、聞き応えがあります。
個人的にはソロで一番好きかもしれませんね。
by ezsin (2006-04-10 23:54) 

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