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R.E.M. - Around The Sun [Artist P-R]

REMは不思議と色のつかないバンドです。これだけ長いことやっていて、これだけ成功を見てきたバンドにもかかわらず、明確なイメージに固定されていない。例えばAerosmithといったときに、強烈なバッド・ロック・ボーイズというイメージと、それを聞いているベテラン・ロック・ファンという聞き手のイメージが、即座に連想されるのと比較するとわかりやすい。3人のオリジナルメンバー(昔は4人)の結束の固さは有名ですし、ソングライティングのスタンスもさほど変わっていないのに、このはっきりしなさは何なのでしょう。

アメリカで最も重要なバンド、と持ち上げられたりしましたが、REMは常に中庸をいってきたバンドだと思います。悪い意味ではない。浮かれたり、背伸びをしたり、大きな失敗も決してしない。常に堅実にまじめにアルバム作りをしてきた印象がある。それ重要だ、それ今回のは売れない、などと騒いでいるのは、むしろメディアやわれわれファンの側ばかり。Michael Stipeは常に醒めた目で見つめていたといえます。

本作は、荒波を越え、穏やかな海原に漕ぎ出した彼らが放つ、それでも変わらぬREMサウンド。オーソドックスでありながら、どこかが引っかかる。聞きやすいけれども、スーッと流れてしまわない固い核がある。曲のつくりがそれだけしっかりしている証拠。特に引っかかるナンバーがあります。I Wanted To Be Wrong。ちょっと異訳ですが、筆者にはこう聞こえる:「僕達は間違っていたかったんだけど、みんなが僕達の歌を歌っている。何でだかよくわからない」。

「僕達は間違っていたかったんだ」。このスタンスがREMだと思います。今の世の中はなんかおかしい。しっくりこないからこんなロックバンドをやっている。普通の会社員にならないで、バンドやること自体もおかしいけれども、世の中がおかしいからそれもおかしくないじゃない。おかしいことを歌っていたら、いつの間にかおかしいはずの世の中のみんなが自分達の歌を歌い始めてしまった。これこそ本当におかしい-

自己矛盾を抱えたまま、続けていくこと。そのことをわかっているが故のぎこちなさ。REMがいつもふらふらしていて、ある特定の色に染まらないのはそのため。開き直れない、居直れないまじめさが、REMを常に活性状態に保ち続けているのだと思います。


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鯉三

R.E.M.をかなり長いことイギリスのバンドだと思い込んでいたのですが、アメリカの、それも決して大きくない町を拠点にしているバンドであることを知り、彼らの音楽のスタンスが明瞭になりました。

まあ、そんな理屈か屁理屈かはさておいて、
この記事の、より明解さと面白さに迷わずnice!です。
by 鯉三 (2006-04-13 02:08) 

何度かこのアルバムのことを書こうかと思ったのですが、結局まだです。R.E.M.は私の最も好きなバンドです。こういう視点もあるのですね!自分自身は彼らの事をどう思っているのか、ゆっくり考えてみたいです。
by (2006-04-13 22:03) 

ezsin

鯉三さん:確かにイギリスっぽいところがありますね。そのあたりも彼らのいい意味での「ズレ」になっているのでしょうね。決して迎合しない。いつも潔癖さを感じるバンドです。
by ezsin (2006-04-13 22:30) 

ezsin

ありそんさん:どうやらMBVとで差し違いをしてしまったみたいですね・・。何だか恐縮です。R.E.Mも実は時間がかかったんですが、ありそんさんの比ではないようです。ぜひありそんさんの思いを読んでみたい。楽しみにしています(プレッシャーじゃないですので、念のため)。

色のつかない、というイメージがぱあーっと広がって。染まらない、自由、一途。そんな感じ。そういうときに書いとかないと、二度と書けなくなるんです。
by ezsin (2006-04-13 22:38) 

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