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Professor Longhair - New Orleans Piano [Artist P-R]

「名盤」の位置づけにある作品は扱いにくい。「名盤だ」と言ったら、何をいまさらあたりまえじゃないかになるし、かといって名盤だといわなかったら、お前この作品の価値をわかっているのか、ということになる。近づかないのが一番いいけれども、それだと言いたいことが言えなくなってしまう。

本作はそういう意味でたちの悪い作品。いいわけはそれくらいにして単刀直入にいきます。まず録音状態が悪いことがよい。音が悪い、という批判が多いけれども、わかっていない。1949年はテープにこういう状態で録音するのが音楽だったのです。この音に味わいがある。というより、Fessとはこういう音なのです。Fessの何ともむっくりして暖かい声は、このアナログ処理を経てFessの声になった。ブラスのもわっとした響きも、ピアノのこもりかたも、この処理で音楽になった。最初からこうだったのだし、そのことに価値があるのです。

それくらい筆者はこの音にこだわりたい。あんころもちのようなピアノがころころローリングし、ヒス音の中にほどよく溶け込んだFessの声とブラスが与えるぬくもりは、格別。これほどまろやかなサウンドはない。なにせ50年の熟成モノです、ウィスキーでいえば。Tipitinaなどは、何年経とうが、どうしても耳もとでとろけてしまう。

New Orleansスタイルはここから始まったとよくいわれますが、彼はただ自分流に演奏しているだけ。彼の感じるスウィング。彼の指のおもむくままのタッチとトーン。ごくごく自然体なのだということが、ここに記録されている。何ともすごい。これら全てがそのまま、あとの世界の標準になったのですから。


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コメント 2

試聴してみました。渋いですね。ピアノが和菓子に例えられるとは~
by (2006-04-15 22:39) 

ezsin

どこかほんのりしたところが和菓子っぽい。しっとり伝統のやさしさ、といったようなものでしょうか。ニューオーリンズ全体にそんな雰囲気がありますよね。
by ezsin (2006-04-16 03:28) 

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