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Depeche Mode - Playing The Angel [Artist D-F]

力強い(?)ノイズで幕を開け、彼らの気合の入り方がわかります。決して目立つ存在ではありませんが、伊達にキャリアを積んできているわけではない、という厚みのあるサウンド。80年代に一世を風靡したシンセポップですが、今にまで生き残っているのはごくわずか。もちろん、テクノやビッグビートなど様々に形を変えてサウンドは引き継がれてきていますが、その変化の波の中でバンドそのものを継続させるのは至難の業。Depeche Modeはそれをやってきた、というか生き延びてきました。

その秘密のひとつは、本作にも存分に見られる、インダストリアル的な無機質な部分と、メロディやボーカルの有機質な部分とのバランスです。機械音に近いほど冷たい感触のビートやサウンド・トラック。対照的にメランコリックで表現の幅を持ったボーカリゼーション。情報通信的に高度に発展してきたここ10-20年は、結局のところこの無機質=テクノロジーと有機質=人間との間のすり合わせがテーマでした。Depeche Modeは常に寄り添う形で、そのテーマをサウンドに託して表現してきたといえます。

本作は、際立って無機質部分がハード。The Sinner In Meなどは、ヘビメタならぬヘビーデジタルな様相。ギターの表現とは違った、今日的なニュアンスが加わって、これから向かう情報通信の未知の領域を連想させる新しい表現になっている。ダンス系のアーティストが作り出すハードさが、ダンスホールにおける刺激や新鮮さを目的としていることとは、一線を画しているように筆者には聞こえる。Macro、Nothing Impossibleなどにもその傾向は見受けられる。

一方でリスナーとしては、その厳しさの合間合間に顔をのぞかせるPreciousやI Want It Allなどのメロウナンバーに吸い寄せられる。むしろ厳しさゆえにそのやわらかさが際立つといったほうがいい。言うまでもなく、情報に翻弄される中での人間回帰的な思いをそこに重ねることになります。

硬軟自在。時代に正面から問うことのできる作品を発表できる力量と自信。彼らはそれをPlaying The Angelと称しているのかもしれません。


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コメント 2

こちらも試聴してみました。まだ買っていませんが、聴いたらすごいはまり込みそうで。
by (2006-04-15 22:45) 

ezsin

ありそんさんなら間違いなくはまると思いますよ。
昔と比べてだいぶ力強くなった印象です。もっとアングラな感じだったじゃないですか、昔は。どっちもいいんですけどね。
by ezsin (2006-04-16 03:33) 

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