So-net無料ブログ作成
検索選択

Big Country - The Crossing [Artist A-C]


シャッ!という威勢のいい掛け声に、ついつい声を合わせてしまう。In A Big Countryの「バグパイプ・ギター」を知っている人なら、誰でもそうするはずです。さらにドライブが好きな人ならば、雄大な景色の中を爽快に駆け抜けるときに、このアルバムを聞きたくなったことが、一度や二度ではないはず。

写真は、2000年の9月、イエローストン国立公園に向かうハイウェイのCrossing(交差点)での一枚。カーステレオには「80s」のCDが積んであって、当然のようにBig Countryが入っていました。彼らはスコットランドのバンドですが、おそらく世界共通に同様のリアクションを引き起こしたはずです。

無条件で開放感を覚える。心が開かれていく。このバンドの裏表のない素直な音は、聞き手をも素直にさせる。改めて聞くと、ロックというより、スコットランドの伝統音楽に根ざしているように聞こえる。当時のレビューに「おばあちゃんと一緒に聞けるロック」というのがあったように記憶しますが、それだけ安心感に満ちている。なぜあの時、Big Countryだったのだろう。

70年後半、パンク・ニューウェーブの勃発とともに若者達は自我に目覚め、夢中になって社会に宣戦布告した。60年代とは違った意味で、僕達は自由で熱かった。しかしケンカはケンカ。知らず知らずに周りと溝ができ、眉をひそめる母親との会話の術を失った。エキセントリックが快感だった時代から、肥大化したPublic Imageに縛られる窮屈さを味わい始めていた。そんなときに登場したのがBig Country。名前からして明らかに空気が違った。彼らの音の高鳴りは、時代が切望していた、ある種の「Unity=和合、統一、融和」を見事に体現していた。妥協ではない。退行でもない。より発展していくための一区切りとしてのUnity。父と息子、都会と個人、母親と少年。Fields Of Fireでは、まさにそんな対比が歌われる。先進性と安定という二つのベクトルを一つに交えさせる。The Crossingとはそういうことだったのではないでしょうか。

リーダーのStuart Adamsonの自殺を知ったのは、ずいぶん経ってからでした。1ヶ月ほど行方がわからなくなり、ハワイのホテルで亡くなっているのが見つかったのが、2001年の12月。彼の死について多くが語られないのは、Big Countryを知るわたしたち全員の思い。その悲劇を知っても、彼らのサウンドは微塵も悲しく切なくは聞こえない。あっけらかんとした青空の下で、今日も気合を入れてやっていくだけです。シャッ!と叫んで。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 2

この写真とても綺麗ですね。構図も素敵です。ちょうど雲の位置やそれぞれのボリュームがまた。1曲目を聴いたら思い出しました。
by (2006-04-23 01:24) 

ezsin

ありがとうございます。
すごい広角な画面の上下をバサッと切っちゃいました。
本当に広いところでした。まさにBig Countryです。
by ezsin (2006-04-24 00:38) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。