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Jalan Jalan - Bali [Artist J-L]


バリ島は本当に好きなところで、今までに何度訪れたかわかりません。リゾートでゆったりするのはもちろんですが、一番の楽しみはガムラン音楽に触れること。ホテルのロビーから劇場、練習場など、その音を耳にすると吸い寄せられるように向かってしまう。Ubudという街の郊外まで、竹のガムラン・リンディックのレッスンを受けに行ったこともあります。右手で変則リズムを取りながら、左手で旋律を奏でるのが難しく、先生はイライラ、汗はたらたら、の悪戦苦闘でしたが、夢のような時間でした。竹でできたガムラン楽器は、湿度の関係で日本に持って帰ると乾いてしまうと言われ、いまだに手元にはありません。もっとも楽器はとても弾けるといえる腕ではないので、そんな必要はないのですが。

ガムランは、脳のある領域をガーンと鳴らす。郷愁、神秘、悲哀、躍動。原始的で謙虚でぬくもりがあるけれども、虚無といってもいいくらいかなしい響きを持つ。ジャカルタの博物館でガムラン楽器の展示を見たことがあるのですが、暗い部屋の中に、ほこりをかぶったガンサ(ゴング)が無造作に並べられ、にぶい銅色の光をうっすら放っていた光景が、そのままこの音楽のイメージとして脳裏に焼きついています。何時間でも平気でインプロビゼーションの糸をつむぎ続けるガムラン奏者は、まるでシャーマン。

Jalan Jalanはエスニック・トランス・ユニットSORMAのメンバーによるプロジェクト。Jalan Jalanはインドネシア語で散歩を意味し、本作もバリの一日を散歩するように描写している。いわゆる正統的なガムランではなく、アンビエント的な作品。筆者はたくさんガムランのレコードやらCDやらテープやらを持っていますが、それでもこの作品を推す。客観的な視点が、うまく本質を捉えているからです。

シャーマニズム的なガムランの「妖しさ」を、火照ったからだを冷やすローションの滑らかさに包みこんでしまう。ガンサの響きを、地平線を真っ赤に染めるサンセット・ビートのさざなみに溶け込ませてしまう。沖縄音楽に通ずる旋律を、心地よい子守唄にしてしまう。ガムランの本質は自然と一体化したトランス=恍惚。これほど的確にそのことを伝えてくれる作品は他にありません。


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