So-net無料ブログ作成
検索選択

Pearl Jam - Pearl Jam [Artist P-R]


飾らない気負わない。全編ストレートなロック。ところどころに激しさが見受けられるものの、これほどの素直な音は、正直言って驚き。このバンドに何が起きているのか。

ガンズのようなスタイルを取らずに、90年にグランジから出てくるというのは、センセーショナルというより「異端」といった方がよい。それから16年。Marker In The Sandのスウィートといってもいいハーモニーを聞くと隔世の感がある。だからといって丸くなったわけではない、円熟したというのでもない。アルバムは、Life Wastedで幕を開ける。生き残ったものの空しい人生。戻る気がしないというやるせないテーマ。続くWorld Wide Suicideは、タイトルがそのまま物語る。これをシングルカットにする、という彼らの時代感覚。彼らはボケてなんかいない。長い成功の流れの中で安住しているわけでもない。

社会が抱えるひずみを、そのまま音にしていればよかったのがグランジ。感情の趣くままにしていればよかった時代は、ある意味で幸福だったのかもしれない。Pearl Jamにとっての2006年はかなり難しい時代ではないか。前作から4年の歳月を要したこともそれを物語る。別に音楽的に行き詰っていたわけではない。絶大な人気を持ってすれば、活動は容易なはず。しかし彼らはそんな安易なバンドではない。この時代において、どのようにひずみを鳴らせばいいのか。かつてのようにそのまま出しても、今は解消するものは何もならない。かといって無視して能天気なサウンドを鳴らすわけにもいかない。

本作のストレートさの裏には、その苦悩が見える。ふっと回顧的に展開するラストの2曲のCome Back、Inside Jobに彼らの本音が顔を覗かせる。自らに言い聞かせるように「It's OK, it's OK」とつぶやく上にかぶさる、豊かで胸がつかえるようなギターソロ。7分に及ぶ展開の中でようやくたどり着くピュアな輝き。

シンプルにPearl Jamと付けられたタイトル。唐突で意味深なアボカドのジャケット。本作は、彼らが改めて自分達の「音」を捉えなおそうとした試み。2006年の今、ロックが、Pearl Jamが鳴らさなければいけない音とは何か。突き詰められたストレートなサウンドが彼らの出した解。それを彼ら自身の存在を賭けて世に問うている気がします。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。