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Boards Of Canada - The Campfire Headphase [Artist A-C]

ここ数年でエレクトロニカの裾野もずいぶんと広がりました。当初シンセサイザーの人工的な音は、無機質で非人間的な情景描写によく使われていましたが、最近では人間の内面の微妙なニュアンスを表現できるようになっています。それだけ機械と人間との距離が縮まったのか、人間のデジタル進化が進んだのか。

そんなことをいつも考えさせるのがBoards Of Canada。オリジナリティという点では、「BOCの音」と即認識できるほど特徴のある、脳の記憶領域の深いところを徘徊するようななまめかしい音を出します。音程が上下にゆらゆらと揺れ、どこか遠いところから聞こえてくるような深いエコーがかかり、不安なのか懐かしさなのか表現できない不思議な感情を呼び起こす。深層水の濃い水槽の底の世界を思わせるジャケットワークも含めて、異彩を放っています。

本作もそんな彼らの「深層心理の旅」の最新報告。ビートが緩やかに流れ、今までよりも安定して軌道を回っている気がします。彼らが回るのは、私たちの記憶と現在との間。Campfireという誰にとっても懐かしい響き。そんな記憶を単に懐かしむのでも、再現するのでもない。記憶のあいまいさと、複雑にからみあったままになっている古い感情。それが今の私たちの生活に影響し、形作っていくさまを冷静に見つめる目。

気が付くとじっと自分の世界を見つめている。パーソナルで静かで精神的な時間。現代人は、定期的にBOCを摂取する必要があるのかもしれません。


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コメント 2

takahiro

ボーズオブカナダすごいですよね
>音程が上下にゆらゆらと揺れ、どこか遠いところから聞こえてくるような深いエコーがかかり、不安なのか懐かしさなのか表現できない不思議な感情を呼び起こす。


まさにそれだと思います。
ジャケットも毎回異彩を放っていますよね。
by takahiro (2006-05-04 23:06) 

ezsin

takahiroさん、ありがとうございます。ジャケットを見ただけで別世界にいけちゃいますよね。特に顔を塗りつぶしちゃう手法。個人のIDを消して記号化することの不安定感をうまく出していて、マル。Aphex Twinとはまたぜんぜん違う顔の使い方。
by ezsin (2006-05-05 02:12) 

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