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Dire Straits - Love Over Gold [Artist D-F]


スタンダードのように存在感のあるアルバム。Mark Knopflerは守備範囲の広いミュージシャンなので、Dire Straitsの数ある作品の中から本作を選ぶのに、さほど違和感はありません。映画音楽も多く手がけているように、彼は視覚的空間をとても大切にする。本作からも視覚/聴覚を一体化しようという壮大な意図が汲み取れます。

これは一種のロードムービー。特に旅をモチーフをしているわけではないので、厳密には定義から外れますが、Telegraph Roadの冒頭の遠雷のとどろきを聞くと、静かにエンジンをかけてこれから冒険が始まるんだというわくわく感が、否が応でも広がってくる。14分に及ぶこの曲は、ひとつひとつの場面が、ハイウェイがひとつひとつ訪れる街のように切り替わっていき、歴史の一頁一頁をめくるように展開していく。ラストのギターとピアノのスリリングな掛け合いは、何度聞いても鳥肌が立ちます。

5曲はオムニバス・ムービーの一話一話と捉えることもできます。どの曲もイメージとサウンドの構想がはっきりしており、このバンドの見事なアンサンブルによって、それぞれの小宇宙が生き生きと描写されている。無駄な装飾を省いてテーマにフォーカスした実直な音作りは、20年以上経ってもまったく色あせていません。

ドラマの最高潮は、Love Over Gold。想像力を掻き立てる詩的なことばが、この美しいタイトルの周りを彩るように踊っている。やがてビブラフォンの澄んだ響きに乗って、黄金に輝く天空の雲の中に溶け込むように消えていく。息を呑む。

本作はまさに稲妻。ロック史において、一瞬の閃光が垣間見せた壮麗な音の風景。幸運にもその瞬間は、はっきりフィルムに焼き付けられています。


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鯉三

80年代のイギリスものにはやはり反応してしまいます(苦笑)。マーク・ノップラーのギター、歌心には惚れましたよ。Love Over Goldはいい曲ですね。一番好きなのはSultans of Swingです。
by 鯉三 (2006-05-07 12:35) 

ezsin

80年代のイギリスものをついつい書いてしまうのです(苦笑)。Sultans of Swingは永遠のフェイバレットですね。こんな気持ちいいグルーブは他にない。Markはエミルーとの新譜が好調のようでうれしいですね。
by ezsin (2006-05-08 01:39) 

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