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Talking Heads - Remain In Light [Artist S-U]

当時は驚きを呼び、物議をかもしたアルバム。それまでのパンク・ニューウェーブ的なぎこちなさから、アフリカン・ビートを導入することで、滑らかなグルーブを手に入れた。今ではなんてことはないクロスオーバーな試みですが、当時は前代未聞だった。グルーブがないから、アフリカのリズムを取り入れよう、というのはあまりに安易ではないか。批判の多くはそう語った。気持ちいいからいいじゃん。肯定派は安直だった。今となってはいい悪いの問題ではない気がしますが、議論は議論でよかったのではないかと思います。

David Byrneは頭は切れるけれども、とんでもなく偏屈で、ノリが悪く、ぶきっちょ。だいたい声からして、普通はボーカルを取るような声質ではない。そんな制約にがんじがらめの男の悪戦苦闘の歴史。結局のところTalking Headsとはこれだった。リズムが流れれば流れるほど、踊れない弾まないDavidの声ばかりが浮き上がり、Stop Making Senseのビデオよろしくロボットのようなカラダの振りが強調されるばかり。初期のひきつったギター、後期の押し寄せるリズム。いろいろなサウンドに身を投じて、何が起きるかを実験する。音と肉体とのひずみの中に、ひたすら自分達の音楽を追求していったバンド。

いま聞いても、この音楽の実験はテンションが高い。ビートは早急だけど、やはり踊れない。Once In A Lifetimeは、情報とイデオロギーの渦の中に飲み込まれている現代にこそぴたりとシンクロする。Seen And Not SeenやThe Overloadの透徹した視点は時代を超えて胸を刺します。


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鯉三

このアルバムとStop Making Senseのライブ、何度聴いたかわかりません。ジョナサン・デミの映画もいわゆるフィルム・コンサートで何度も観ました。それでもezsinさんの幾分辛らつなご意見はよくわかりますし、まったく同意見です。中途半端な自称・パンクバンドがある日このように姿を変えてしまったんですよね。インテリ・ミュージシャンがたどり着いた最初で最後の、しかし永遠の傑作だと思います。
Once In A Lifetimeのベースが刻むリズムは、今聴いてもかっこいいです。
by 鯉三 (2006-06-04 16:50) 

ezsin

辛らつすぎたのは愛情の裏返しと思ってください。
本当に好きなアルバムですし、鯉三さん仰るように大傑作ですよね。
Once In A Lifetimeはぜんぜん古くならないです。
by ezsin (2006-06-05 13:12) 

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