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Camera Obscura - Let's Get Out Of This Country [Artist A-C]

オープニング・ナンバーLloyd, I'm Ready To Be Heartbrokenというタイトルを見て、ストリングスとオルガンと軽快なギターが奏でる切なくも前向きなポップ・サウンドを聞いて、思わず落涙。'84年のLloyd Cole & The Commotionsのデビューアルバムは、筆者のブログの第1回目に取り上げたことから察していただけるように、特別以上の存在。Lloyd Coleって誰?という時代に、ここまで彼へのオマージュをささげる人たちがいることだけで、胸がいっぱいになる。その選択に独特のこだわりとプライドが感じられて、頼もしい。

良質なバンドが次々出てくるスコットランドのグラスゴー出身。Belle & Sebastianになぞらえますが、むしろCommotionsに近い。特に青さと繊細さ。壊れそうなほどデリケートな音作りと、エコーの中でセンチメンタルに流れるメロディ。全ては琥珀色の懐かしい夢の中で鳴っているよう。ギターとリードボーカルを取るTracyanne Campbellは、しかし流されない。フラットでシンプルな歌い方はむしろ無関心を装う。「Lloyd..」のPV(オフィシャル・サイトで視聴可)。渋谷センター街とディスカウントストアの中を、Fred & Gingerよろしく踊るカップルを、瞬き一つせず、身動き一つせず見つめる彼女の姿はこっけいですらある。この不器用感がバンドのいのちであり、鮮度の秘訣。

Camera Obscuraとは、暗い部屋に小さな点から光を差しこみ、像を写しだす原始的なカメラのこと。現象自体は紀元前から知られていたらしい。さかさまにぼんやりと映し出されるひとつの絵。それは、まわりに存在する世界を切り取る大胆な試み。いつの時代にも、目の前にある景色を、今の瞬間を残しておきたい願望があった。現代のCamera Obscuraが映し出すのは遠い青春のひとこま。様々な思いの詰まった光景をパッとよみがえらせる、一点の光源のようなバンド。


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