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Ride - Nowhere [Artist P-R]

「今でも聞くんだよね、Ride」というリスナーが多い。90年代前半に短くも鮮烈に活動した、ノイジーでメロディックなギター・バンド。「甘美なノイズ」という表現が、一番しっくりくる人たちかもしれない。では何が甘美なのでしょうか。

ノイズの不思議は、不快/快の境目にあって、時に習慣性を持つほど病み付きになる魔力を持つこと。エレクトリック・ギターは、フィードバックとディストーションを多用することで、特に気持ちよいノイズを発することができる。90年前後に、そのことに気づいた多くのギタリストたちが、いっせいにその「効能」を追求しだした。RideのAndy Bellもその一人。ただ彼は、メロディとコーラスを忘れなかった。前後左右を見失いかねない轟音の中で、ノイズの中にある情緒的な部分に常に意識的だった。激しく動揺する心の動きとしてのノイズ。Rideの音の震えはそんな風に聞こえてくる。

大きな音のひずみとなるような感情の高鳴り。その原点をDreams Burn Downに見る。燃え尽きる夢。そこには、希望や憧れといったポジティブな力と、敗れ去ることによる痛々しさが表裏一体となって存在している。かなうことが同時に失うことでもある私たちの夢は、いつもプラスとマイナスの感情が入り混じっている。どちらに落ち着くわけでもないそのエネルギーは、ノイズとして放出されるしかないのではないか。そこに私たちは途方もなく甘美な思い入れを持つのではないか。

感情の二面性に気づいてしまったRideのサウンドは、徹底的に感情に訴えかけてくる。怒涛の反復リフと万華鏡ギターは執拗に琴線を直撃し続ける。本作はデビューアルバムにして彼らの最高傑作。「Nowhere(どこでもない)」とも「Now Here(いま、ここに)」とも読み取れる、心の不安定感そのままの二面性を持ったタイトル。深い海底(=深層心理)のうねりを思わせる小さな波頭のジャケット。彼らの世界の全てがこの中に詰まっています。


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nicola

はじめまして。
Ride今でも聴きますよ(笑)
ノイジィなのに美しい旋律を愛してやみません!
>「Now Here(いま、ここに)」
いいですね。イカシテます♪
by nicola (2006-06-19 00:07) 

ezsin

nicolaさん、こんにちは!
Rideは惚れたら最後、一生ついていきます的な魔力がありますよね。これからも聞き続けることになるでしょう。
by ezsin (2006-06-19 01:28) 

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