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The Upper Room - Other People's Problems [Artist S-U]

見事なギター・ポップ。メロディ、アレンジ、コーラス全てが正統派ブリティッシュ。文句のつけようがない。「使命:完璧なポップ・チューンを作ること」、と公言するブライトン出身4人組のデビューアルバム。ギグ、デモなしでSonyとサインしたのだとか。そんな浮ついたPRの言葉を聴いても、ぐうの音も出ないのは、あまりにはまりすぎているから。ブリット・ポップの何たるか、リスナーが何で「落ちる」のか、全て完璧に捉えている。

しかし「完璧なポップ」とは何だろう。チャートの1位に君臨すること?時代の革命を起こすこと?新しいジャンルを打ち立てること?Upper Roomはそのどれにも当てはまらない。新しさがあるわけではない。爆発的に売れているわけでもない。経験したことのない刺激があるわけでもない。極端な話、振り向くことも、気にかかることもなく通り過ぎてしまう人たちもかなりいる。星の数ほどあるアルバムのひとつ。それでも取り憑かれたように、繰り返し繰り返し聞いてしまう筆者のようなリスナーは、いったい何なのだろう?

マクロ現象としてのポップ・カルチャーは成り立ちにくく、ポップの革新も様々な形態を取るようになった。そもそも「革新性」がポップの必要要素でもなくなっている。何十年も昔のデニム一本に数十万円を払うとき、私たちはいったい何に価値を見出だしているのか。そこにある「ポップ性」とは何なのか。

乱暴にまとめてしまうと、論理や合理性を超えた次元で堂々と成立してしまうことが、今の時代のポップ。理屈ではない、何かすごいことがあればそれでいい。そういう意味では、1日20回以上リピートさせてしまう中毒性をもつ本作は、紛れもなくポップ。彼らが臆面もなく「完璧なポップ」と宣言しても、何らおかしくないのです。

追伸:Giftで、Joy DivisionのAtmosphereのきらきら舞い落ちるサウンド・エフェクトを取り入れて、ささやかなオマージュを捧げています。美麗。


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