So-net無料ブログ作成

Prefuse 73 - Surrounded By Silence [Artist P-R]

「ザー」だとか、「グシャン」だとか、「キュルキュル」といった人工的な音を中心に構築されたノイズ・サウンド。作り出すアプローチには様々な方法がある。Prefuse 73は、雑音を加えていく考え方。普通の秩序だった音楽に、様々な処理を施すことで、大胆にくずしていく。ヒップホップの骨格が聞き取れるものの、かなりいびつに変形している。ちょうどアナログ・ダイアルのついたラジオで、きちんとチューニングされたポジションから徐々にダイアルを回していき、ざわざわした雑音が混じりだしたぐらいのところで聞いている感覚。完全な無秩序の状態のノイズを基点とするアーティストとは、発想が異なる。そんな「はずれた」音に何の意味があるのでしょう?

規律からの解放。均整が取れていることの息苦しさを少しでも和らげる。秩序は必ずしも安定ではない。チューニングの外れたざわついたサウンドが、妙に耳に入ってくることがある。それは規則正しい状態が長続きしたり、きれいなサウンドを聞きすぎたときに起こる。自然な反応。人間はそんなに杓子定規な存在ではないのです。

「くずし」は何も奇抜な方法ではなく、ファッションから、絵画、書体、話し方にいたるまで表現活動においてはなじみのもの。Prefuse 73は、サウンドにおけるくずしの達人。雑然としているようで、緊張を高めるような不快音は丁寧に排除されている。ファジーでありながら最低限の体感リズムを維持している。ピアノやストリングスといった生楽器との共生が図られている。多彩なゲスト陣を巻き込みつつ、一貫性が保てている。こういうサウンドを作り上げるには、相応のテクニックが必要だと納得させられる。彼(Scott Herren)が作り出す豊富な音の種類と広い再現域に耳がなじんでくると、普通の音楽が、いかに狭いレンジの中で窮屈に鳴っているかがわかってきます。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0