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The Beatles - Revolver [Artist A-C]

今年はモーツァルト生誕250年。聞くと頭がよくなるとか、アルファ波が出るとか、おまけに牛や野菜の生育にも影響を及ぼすといわれ、グリーンハウスにクラリネット協奏曲を流す人が出てくる。これらの現象は、偉大な音楽に対する批評が行き着くべきところまで行き着いたことを表している。250年もあらゆる方面から偉大さを褒め称えてきた結果、語るべき言葉を語りつくしまった。21世紀には、少々無理があっても、科学的な切り口からアプローチするぐらいしか、新しい手がなくなってしまった。ほとんど根拠がないと言われながらも、こういう論が受けてしまうのは、それでも分析したい、語りたいと思わせるフェロモンを発し続けているからです、モーツァルトの音楽は。

ビートルズを「今世紀」最大の音楽家と思っていたら、いつの間にかそうじゃなくなっている。アインシュタインもピカソもビートルズも、みんな「前世紀」なのですね。何とも恐ろしい。2062年にはビートルズ生誕(デビュー)100年祭が各地で催される。そのとき、彼らはどのように語られているでしょう。40年たった今までにも、多くのことが語られてきた。もうすぐすると、ビートルズを聞けば想像力豊かな子になるとか、JohnとPaulを交互に聞けば情緒が安定するとか、Sgt Peppersを聞けばガンが治るとか、そんな「説」が出てくるでしょう。いずれにしても、語られていることは間違いない。彼らの楽曲から、モーツァルトと同じ、人を惹きつけてやまないものがこんこんと湧いているからです。

ものすごく乱暴な言い方をすると、Beatlesのそれぞれの作品は、この40年の歴史の中で、時代とついたり離れたりしている。Paul調の作品が受ける時代もあれば、前衛的な作品がもてはやされる時期がある、妙に「全集」的なものが求められるときもあれば、はっきりいってあまり聞かれない時期もある。Revolverは、いつの時代とも一定の距離でかかわり続けている作品ではないでしょうか。ロック、という音楽が存続している限り、シーンの基底で鳴り続ける音。それは「自覚する音」の基本文法。音そのものが自己主張し、確固たる存在感を持つ現代のロック表現の基礎。全ての基礎だからいつでも聞ける。Sigur Rosを聞いた後でも、Radioheadを聞いた後でも、Godspeed You Black Emperorを聞いた後でも。

六本木のCavern Clubにたまに行きますが、白い紙にリクエストを書くとき、いつも真っ先に思いつくのはShe Said She Saidです。別に自分の一番好きなBeatlesナンバーではないと思うのですが(そんなものは決められない)、いやになるくらいそれがまず浮かぶ。ライブ=聞きたい=She Said She Saidなのです。理屈も何もない。それくらい「そうでしかない」のです。ほとんど説明を介さずに、短絡的に感覚から音楽につながる。その直接性が、このバンドの音楽のすごさ。基礎の基礎たるゆえん。これ以上の「ことば」は見つかりません。

音楽はシンプルに語りたい。できれば語りたくない。でも魅惑的な音楽は語らずにいられない。孤高の音楽は、常に人をこのジレンマ・サイクルの中に陥れるのです。


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モーツァルトとビートルズ~
以前ヤフーのニュースに、お年寄りが好きな音楽を聴いたり歌ったり、それに合わせて体を動かしたりすると、ホルモンバランスが整うとの記事がありました。ならばきっと自分にもいいんだろうな~と思いました。
ビートルズ。一番好きな曲は「Tomorrow Never Knows 」かなと思います。 今まで出会ってきた熱狂的ファンの事を思うと、私はただ好きとしか言えないレベルですね、、、。
by (2006-07-21 23:56) 

ezsin

Tomorrow Never Knowsで終わるRevolver。ここからみんな始まっている感じがします。この曲を聴いていると、まだ何かやることが残っているのだろうかと思ってしまうくらい。
この曲をさらっと挙げられるところからして、ありそんさんも立派な熱狂的ファンだと思うのですけど。
ホルモンバランスだけでなく、知的満足度の点においても、人間に不可欠な成分ですね。
普通の人から熱狂的な信者まで、全ての人に何かを訴えられることができるのも、すごいところだと思います。
by ezsin (2006-07-22 13:25) 

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