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Five For Fighting - Two Lights [Artist D-F]

幸か不幸かFive For FightingことJohn Ondrasikは、スーパーマンの悲哀を歌ったSuperman(It's Not Easy)が、911の癒しのアンセムになったことで、「現代のアメリカ」と切っても切れない関係になってしまった。Madison Square Gardenでの追悼コンサートで、涙ながらにこの曲に聞き入る消防士や遺族を目の当たりにして、自らの音楽の指針を得るとともに、ずいぶんな重荷を背負うことにもなりました。

ロード・ツアー中に出会った、あるがままの人々の声や体験を基にした曲作りは、まるでドキュメンタリーのよう。いわばBowling For ColombineやFahrenheit 9/11のMichael Mooreの音楽版。Michaelが、皮肉とユーモアを切り口にしているのに対し、Johnの語りはやわらかい。それは甘すぎると言ってもいいほど。

Two Lightsは、イラクに派遣される息子を送り出す、ベトナム経験を持つ父親の誇りと不安の「二つの側面」。父と子の「二つの人生」なのだという。それが美しいピアノの調べに乗って、終始明るいトーンで歌われる。犯罪や死に向き合ったテーマの重さとは裏腹に、ストリングスもフィーチャーしたアルバム全体の調子は、ニューエージと見紛うばかり。

本作の異常なほどの明るさは、現代のアメリカ人が抱える傷の深さを物語っているのかもしれません。まだUnited 93を直視できるような状態にはない。恐怖や絶望を覆い隠すほどの誇大粉飾をまとわないと、まともに向き合えない。そんな感覚を肌で感じているからこそ、Five For Fightingはこういう音に行き着くのでしょう。


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