So-net無料ブログ作成

Sade - Lovers Rock [Artist S-U]

今のようにセレブがもてはやされるはるか前、Sadeはセレブ・サウンドの称号をほしいままにしていた。セレブは赤いじゅうたんを歩くだけで、音楽そのものに関わることなどなかった時代に、ハイソなライフスタイルとエレガントな恋を、生きるままに音楽にしていく、というSadeのコンセプトは目立ちまくっていた。そんじゃそこらのモデルにできることではなかったし、そんじゃそこらのミュージシャンにできることでもなかった。音楽に重ねるライフスタイルが、社会のはみ出しものか、エキセントリックな天才と相場が決まっていた中で、Sadeの持ち込んだ「最初から成功する人」は、多くの聞き手にとって縁のないものだったけれども、マンネリ化したポップ・ミュージックには大きな潤いになった。完璧でスキのない音。甘いけれども決して崩れない音。聞くことがリッチな体験だった。

Lovers Rockは恋に人生に身をゆだねていたSadeが久々に音楽にかえってきた2000年の作品。実のところ彼女はセレブではない。少なくともParis Hiltonではない。結構、実生活では苦労している。決してそのサウンドから連想される「Diamond Life」を生きていたわけではない。もちろん、そんなハイソな生活が現実にあるはずもない。Sadeのイメージは、送り手と聞き手が合意のもとで作り上げていたひとつの白昼夢。かえってきたSadeは音の感触はそのままに、あっさりと夢をうっちゃって、現実を持ち込んできた。

Sadeがいいのは、恋の奴隷になってしまい、あなたの隣にいたいと泣いてしまう生身の人間味を結局は出してしまうこと。昔も今もサウンドはクールだけれども、ハートはぶるぶる震えていた。そんな感情の振幅が、聞き手の心を打ち、単なるサロン・ミュージックで終わらなくしている。映画でも劇でも美しいヒロインは悲劇に見舞われると相場は決まっている。音楽でもそうじゃないかな、ねえ、Parisさん?


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0