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Elvis Costello - Get Happy!! [Artist A-C]


「俺は正しい!(My Aim Is True)」
「今年はこれだ!(This Year's Model)」
「喜べ!(Get Happy!!)」
「信じろ!(Trust)」
初期Elvis Costelloのアルバムタイトルは思いっきり断言調。言わずにいられない勢いに溢れている。つんのめって、くねくねになって、つばを撒き散らしながら、とにかく前へ前へと向かう。この突き上げる思いは何だったのだろう。

ソウル、R&B、ゴスペルなどを基盤としながら、他の誰も聞かせ得ない独特のロック・ポップス。天性の宝である声ともども、唯一無二の世界。この時期、全てを放出させるかのような怒涛の勢いで、次々に楽曲を生み出していった。

ハイテンションとともに、怒れる若年寄でもあった。真偽はともかく、黒人ミュージシャンへの侮辱的な発言が問題になったり、他のアーティストをけちょんけちょんに切り捨てていた。

パンクはエネルギーの開放として重要なムーブメントでしたが、反体制、自由主義などイデオロギッシュな面が強調されすぎていた。あるいは衝動的な音に乗じて、単に騒いでいるだけの側面もあった。新しい試みがいろいろと行われましたが、目新しければ何でもよいという風潮を生んだ。もちろんこれらを否定する気はありませんが、きっとElvis Costelloは、何らかの違和感を感じていたのだと思う。ひとことで言ってしまうと、3コードのチープな音楽が耐えられなかったのだと思う。

Elvis Costelloがパンクのエネルギーの全てを注いだ先は、作曲でした。躍動感、鮮度、熱気を持った曲を作る。彼がひたすら追求したのは、音楽に喝を入れること。体制やらファッションやらの前に、この停滞している音楽そのものを再生しなければいけない。アルバムに20曲近くも高密度に充填し、「みんな気づけ!」といわんばかりのタイトルを通して示したかったのは、そのこと。ミュージシャン批判も「ちゃんと音楽をやれよ」というメッセージであり、黒人発言も、アーティストは作曲力で評価されるべきだという主張だったのだと思う。それだけ彼は自信を持っていたし、必死に取り組んでいた。

だからこそ彼の楽曲は時代を超えて響き続ける。今でも音が沸騰している。曲そのものが生きているからです。ソウルでもR&Bでもないのは、彼が新しく作り変えたからです。Get Happy!!は、そんな発明品のオンパレード。メロディはまったくよどむことなく流れ、リズムはこれ以上ないくらい軽やかにスキップしていく。Elvisのボーカルも艶やかで、本当に確信的に鳴り響く作品です。

曲作りを大切にする彼の姿勢は、終始一貫している。それはカントリーであっても、ジャズであっても、クラシックであっても、今日に至るまで変わらない。そうです、もうひとつ彼の特質がありました。とんでもなく頑固なんですよね。こんな偉大な頑固さは他にありません。


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コメント 2

先日タワレコに行ったときに、コステロちゃんコーナーの前でしばらくねばり、紙ジャケの数々を眺めました。ポスター封入のとか惹かれますね~。学生時代から勝手に拝借しているペンネームですが、ちょっとやりすぎかな、と最近思っています(^_^;)
by (2006-08-22 19:29) 

ezsin

とても素敵なペンネームですよ、絶対に。
紙ジャケ、特にポスターはそそりますね~。
Attractionsのポスターなのかなあ。欲しいなあ
昔のLPや12インチは大切にとってありますよ。TrustやGet Happyは米国版で雑なつくりなのが悔やまれますが・・。
お気に入りはDon't Let Me Be Misunderstoodの12インチ。ステージを降りていくところのスナップとオレンジの断定調のタイトル・ロゴが彼らしくて、長く部屋に飾ってました。
コステロは本当に元気のもとですよね。
by ezsin (2006-08-22 23:55) 

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