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Kasabian - Empire [Artist J-L]


ダイナミックな曲構成に、大胆なエレクトロニック・ビートの注入。強烈なグルーヴで曲をぐいぐい引っ張る点で、よくPrimal Screamや90年初期のマンチェスター・ムーブメントが引き合いに出されます。グルーヴとは、スピード感覚。聞き手を爽快なスピード感覚に誘引する効果。特にエレクトロニックによって引き起こされているわけではなく、ビートのスピード、メロディ、リフなど曲の全てが渾然一体となって発するフェロモン。今のシーンにおいていちばん強固に漂わせているのがこのバンド。

では90年代の焼き直しなのか。デビュー時に巻き起こした論争に決着をつけるべく、注目のSophomore(2作目)で彼らの示した答え。クリアになったのは、彼らの表現力。たぶん10年前になかったもの。それはここまでの多様な表現力。

「祖国のために死ぬことは甘美で名誉なこと」。シングルカットのEmpireは、南北戦争風の合戦シーンの中で、むなしく死んでいく歩兵隊に扮している。Tom Meighanが銃殺されるエンディングに流れるラテン語の格言に見られるように、あからさまな皮肉を込めたメッセージを発している。こういう曲をやる場合に、グルーヴは不可欠。逆にグルーヴがなければ、チープな表現として押しつぶされてしまう。

インディアン・テイストとドリーミーなコーラスのSun/Rise/Light/Flies。ファンキーでラウドなグラム・サウンドから、エレクトロニック・ビートシャワーに怒涛のように流れ込むShoot The Runner。のこぎりで神経をぎりぎり切られているような打ち込みのAponea。ベルトが切れて止まらなくなったエンジンのように高速回転するStuntman。乾いたアコースティック・サウンドと、ストリングスやブラスの壊れた喧騒のマッチングがドラマチックな効果を生むThe Dobermanなど、表現の幅が実に広い。あふれ出る音楽的なアイデアを、増幅し、聞き手を圧倒させるための武器が、彼らのグルーヴ。こんなに豊かにカラダを揺らしてくれる音楽はなかなかない。

不遜な存在感。歯に衣を着せぬ言動。実に堂々としたたたずまい。そんな彼らが作り出すアブナイ音の竜巻が、真正面からあなたの顔面に向けて放たれる。


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コメント 4

彼らのかっこよさは別格ですね。私は、来月を待ちます。
1月に来日なんですね~
by (2006-08-30 23:13) 

ezsin

ライブかっこよさそうですよね。
待ちきれずに聞いてしまいました!
by ezsin (2006-08-31 00:10) 

pushol

はじめまして。にわか音楽好きのpusholと言います。
KASABIANの存在感は同時代のバンドの中でも一つ抜けてますよね。
どうかこのまま伸びていって欲しいです。
by pushol (2006-09-06 18:41) 

ezsin

pusholさんはじめまして。
コメントありがとうございます。pusholさんのKasabianへの熱い文章も拝見させていただきました。コメントはそちらにさせていただきますが、引用までしていただいて何だか恐縮です。でもホント現代で頼れる数少ないバンドかもしれないですね。
by ezsin (2006-09-07 10:56) 

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