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Rufus Wainwright - Want One [Artist V-Z]

この人は不思議な声をしています。どこに向かっているかわからないというか、どこにも属さないというか、一種独特。決して無表情ではないのですが、平坦で突き放したところがある。感情がわきあがる前に、あらかじめ封印してしまっているような。吟遊詩人の孤高と、旅人の孤独を持ち合わせている。それでいてクラシカルなポップスから、Radioheadバリの浮遊感を持ったロックまで、守備範囲が広い。RavelのBoleroを大胆にフィーチャーしたオープニングナンバーから、次々に展開される多彩な曲の顔ぶれに、ぐいぐい引き込まれていきます。Natashaの美しさ、14th Streetの楽しさ。完成度の高い歌の数々は飽きさせない。そして、どんな曲になっても変わらないのは、彼の声の存在感。醒めた目でじっとこちらを見据えているかのような錯覚にとらわれ、ハッとさせられる。何かを伝えようとしていながら、その本質が見えてこないもどかしさを、彼の声から感じ取ります。

「もうひとつの」という意味のオルタナティブ。オルタナティブ・ロック、オルタナティブ・カントリーなど、居心地のいいジャンル分けからはみ出していく音を、こう表します。「これじゃない何か」は、進歩するときの原動力となる感覚かもしれません。違和感の先にある、自分でもまだ見えぬ理想を追い求めること。Rufusのどこにも当てはまらないポップ・ソングを聞いていると、オルタナティブ・シンガーという称号を与えたくなる。もちろん本人はそんなレッテルをも忌み嫌うでしょうけれども。


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