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The Rapture - Pieces Of The People We Love [Artist P-R]

「僕たちが愛する人たちの一部」。うーんそれってTalking HeadsとGang Of Fourのことなのか、と突っ込みを入れたくなる。70年代のロック・バンドが試みたファンクへのアプローチを彷彿とさせる。ファンキーだけど、アフロアメリカン・ファンクほど素直に体が揺れない。ぎこちなさ丸出し。うまくファンクしきれないもどかしさをそのままぶつけたようなサウンド。カリカリと耳の中をかき回すように気持ちのよい乾いたギターカッティングも、「発散しきれないエネルギー」があるからこそ切れ味が鋭い。JB'sではこうはならない。もっと素直で速くて一気に流れていく。

もちろんこの作品を従来の意味でのファンクと捉えるべきかが問題。くねくねと引きつりながらも、身体を突き上げようとするこのサウンドは、人を踊らそうとするものではない。何かを突き破ろう、何かの閉塞感をぶち壊そうとする力。もどかしさは踊れないもどかしさではなく、抜け出せないことのもどかしさ。The Raptureは何かを引きちぎろうとしている。

ギターバンドのエネルギーとも、ヒップホップのラジカリズムとも違う。彼らは新鮮なリアクションを引き起こす。それはサウンドのユニークさからくるだけでなく、このサウンドを選ばざるを得なかったもっと根底の動機付けからきている。じりじりするフラストレーションが一気に爆発したような曲Soundで、彼らは「Give me the Sound(音をくれ)」と叫んでいる。たぶん自分たち自身の解放を願って、自分たちを解き放ってくれる音を探し求めている。人を躍らせるための音楽ではなく、自らが抱える閉塞感を突き破るのがThe Raptureが音楽をやる目的なのです。

彼らの抱えるフラストレーションが何かはわかりません。おそらく精神的なものではなく、肉体的なものでもなく、両方が複雑に絡み合ったものではないでしょうか。それゆえに彼らの音楽はもがき苦しみ、テンションが高まり、ぎこちなくなるのです。聞き手の私達には、それはものすごくリアルで説得力のあるドキュメンタリーのごとく響きます。


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