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The Fratellis - Costello Music [Artist D-F]

勢いを出すことは比較的簡単ですが、本当に人を惹きつけることのできるサウンドを作るのは難しい。またFranz系のバンドと受け取られるほど、たくさんのバンドが挑む流行のジャンルであればなおさら。Fratellisは、「後発」ながら圧倒的な力を感じささせる。その魅力はひとことで表すとすれば「粘着力」。耳に入ったら最後、素通りできない、無視できない。Beatles調のくっきりしたメロディ、古いスカ、ワイガヤの掛け声コーラス、Blurの健康的な屈折。おいしいポップの要素があちこちに満載で、しかも出来がいい。興味の神経網のあちこちに引っ付いて離れない。

技としてどれだけうまく作りこまれていても、粘着力を持つこととは別問題。上手だけど粘着力のない音でシーンは満ちているといえるかもしれない。Fratellisの粘着力は、今のリスナーの耳をよく把握していることから来ていると解釈できる。同じBeatlesでも、今の耳に引っ付くBeatlesの「ネタ」は何かをつかむ力。Hard Day's Nightか、Come Togtherか、Lady Madonnaか、Blackbirdか。Fratellisの感覚では、それをBirthday+Yellow Submarineと読んだ。その鋭い嗅覚と、そこにJohn Lennon風のテイストで仕上げるこだわりのセンスが加わって、聞き手にとっては抗しがたい魅力的なサウンドに仕上がる。

興味深いのは、おそらく2000年であっても、1990年でも、この音では受けなかったかもしれないということ。もちろんこのバンドの力量からすれば、2000年に作品を作っていたとするなら、このサウンドにはなっていなかったでしょう。同じBeatlesであっても、A Day In A Life調を打ち出していたかもしれない。音の粘着力を持つとは、こういう才能を使いこなす必要がある。優柔不断と捉えるか、器用と捉えるか。筆者は、優柔不断も器用も含めて、時代の耳に真剣に向き合い、その求めるところの一歩上の満足を提供しようとする姿勢はポップ・ロック・バンドの基本だと思う。

Fratellisのよいところは、引け目がないこと。なんといわれようと、堂々と正面から音楽性で勝負しようとする姿勢が見える。この手のサウンドは、こういう後に引かないはったり強さが非常に大切。亀田兄弟を見るまでもなく、そのこと自体も今の時流だとわかっているところが、このバンドの芯からの強さだと思います。


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コメント 2

視聴してみました。「粘着力」ってこういう事なんだなぁと実感しました~
by (2006-09-17 02:03) 

ezsin

引っ付きましたか?いつも視聴ありがとうございますって私が言うのもなんだ変ですよね。別名「スティッキー・ミュージック」と呼びたい!
by ezsin (2006-09-17 11:54) 

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