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Naomi - Everyone Loves You [Artist M-O]

コトバは難しい。もどかしい。表現できないことが多くて哀しくなる。音楽を語るのに意味があるのかといつも自問する。せいぜい自分の体の四方20センチしか隙間のないオリに閉じ込められている気分になる。音楽の世界はもっと広くて美しいのに、自分のコトバはそこまで届かない。

Naomiと名乗っていますが、ドイツの男性デュオ。ダウンテンポ/トリップホップ/ハウス/エレクトロポップ。ボーカルでフィーチャーされているSelda Kayaがクールでよい。彼女が歌うGoはAmnesty InternationalのTVスポットで使われたとか。同じくHeavy Little Lightsは、Sleep..Faith..Happy..Black..Puzzle..Skinなどつながりそうでつながらないコトバをポツリポツリとささやいている。人工的な電子ビート。映画のサントラから切り取ってきたようなストリングスのワンフレーズ。起伏に富む音の海原の上で、それらのコトバが小船のように浮かんでいる。

全体の冷めた感じが心地よい。Everyone Loves You(みんなが君のことを愛している)がタイトルですが、..When Your Down(君が落ち込んでるときだけね)というオチがつく。打ち込みのエレポップ、We Are So Beautifulも斜に構えた「ズレ」があって、完全に弾け切らない。拡声器から流れる競りの掛け声か、宇宙ロケットのカウントダウンのような118..426..428..001が延々と繰り返されるZero Zero One。心を和ませるビートとサウンドコラージュを、収束しないコトバでわざと不安定にしていく。両手を突っ張って情緒を押し戻す姿勢が、逆に偽らない生身の感触を生み出している。

時にちょっと熱く、終始穏やかに流れていくサウンドトラックの行き着く先は、誰もいない空き家の中でこだまする「Anybody Here?(誰かいませんか~?)」。SeldaがやはりささやくようにYes Yes Yesと返すけれども、そのコトバは相手に届かない。葬送曲のようなバイオリンの調べに乗って、どこへともなく漂い、やがて消えてしまう。


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