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Booker T. & The MGs - Hip Hug Her [Artist A-C]

60年代のアトランティック/スタックスのソウルを支えたつわものミュージシャン達。Booker Tのオルガン、Steve Cropperのギター、Donald "Duck" Dunnのベース、Al Jackson Jrのドラムス。名前を挙げるだけでも身震いしますし、この人たちがいなかったら今のソウルミュージックはなかったかもしれません。そして自分達だけのバンドとしてもGreen Onionsのヒット曲があって、名前はそれなりに知られていますが、はっきりいって地味。それは本作Soul Limboなどの名作ですら、ジャケットに女性モデルを使わないとアイキャッチできないところにも現れている。OtisやSam & Daveなどが「顔」としていつもフォーカスされる中で、この人たちはあくまでバックバンドでしかなかったのです。

そんな裏方の積もり積もるものがあるのかと思いきや、何の力みもない。3分そこそこのコンパクトな演奏の中に、主題、展開、楽しさをこぎれいにまとめこんでいる。表題曲やSoul Sanction、Double Or Nothingなどは、とても心地よいグルーブを持っているけれども、ことさらそれを強調しない。

普通、楽器マンは弾きまくる。ジャムセッションの中のソロに心酔し、恍惚の表情を浮かべて延々と演奏する。それが好きだからだし、そこにこそ自身の存在意義を持っているから。しかしこの人たちはそれをしない。不思議なくらいスパッと割り切っている。それはソウル・ミュージックの楽しさが何かがわかっているから。大衆芸能としてのソウルの価値を大切にしているから。3分そこそこにハートとグルーブとちょっとしたスパイスを加えて、心浮き立つサウンドをつくる。数々の名曲の録音に携わる中で、この人たちはその秘訣が身についているのです。

リードボーカルがいなくても、BGMにならずにこれだけ体がスイングし、歌心を感じることができるのは驚きです。また、前面にせり出してくるボーカルに頼らない分だけ、楽器が均等に冴え渡り、全体として非常にクールな印象を作り出している。一度聞き出すと、ちょっと止まらない。

ここは彼らに倣って、過小評価や、スポットライトの当たらなさを声高にわめくのは控えましょう。粋な音楽は粋なままで鑑賞することにしましょう。


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