So-net無料ブログ作成
検索選択

It's a Beautiful Day - It's a Beautiful Day [Artist G-I]

妖しい。怪しい。60年後半のサイケデリック・ロックの名作。
ただ「60年代」も「サイケ」も忘れてしまっていい。そんな時代との癒着を離れて、今聞いても十分に摩訶不思議でアヤシイ。

何が怪しいといってまずジャケット。古今東西随一を争う傑作ジャケットですが、ミュシャ風の挿絵は見ているとだんだん怖くなってくる。パッと見にはさわやかだけれども、現実との接点がなく、前後の関係がわからない。Sound Of Musicのアルプス越えなのか、アンデルセン童話のかわいそうな少女が、自らの境遇を忘れるつかの間の幸せなのか。

この何とも落ち着かない感覚は、音楽の全編からも漂ってくる。フォーク寄りのサウンドは、フィドルやオルガンのやわらかい音色とあいまってとても聞きやすく、はっきり言ってラウンジ的な心地よさを持っているのですが、一筋縄ではいかない。White Birdの男女のコーラスは、お互い朗々と歌い上げていながら、まったく溶け合わない。声質が違うこともあるのですが、White Birdといっても文鳥と白雁ぐらいの違いがある。Bombay Callingのぎこちないインディアン・ロックから妖しさが増し、Bulgariaで鳴らされるゴングで完全にへんてこな世界に突入してしまう。ハイピッチのオルガンのトーンが背後で耳障りに鳴り続ける中で、またあの妙なカップルの厳かなコーラスが展開する。

サイケとは元来こういうものなのですが、当時狙っていた不思議さを、「デザイン」として鑑賞するのが現代風の楽しみ方。特にこの作品は尖りすぎたところがないので、どんなライフスタイルにも合う。当時の毒が30年以上経てちょうどいい塩梅に抜け、今が聞き頃。ぽんぽこノリが楽しいTime Isなどは、FranzやFratellisなどの今バンドにカバーして欲しいほど。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。