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The Radio Dept. - Pet Grief [Artist P-R]

ひょんなことで飼いはじめた金魚が病気になってしまった。白点病といって全身に白い斑点ができてしまう病気。ネットでいろいろ調べて、塩を入れたり、鷹の爪を入れたりしてみたけれど、どんどん弱っていく。白いプラスチックのボールに金魚を移して水を換えながら、だめかもなあとじっと金魚を見つめる。

帰宅途中に乗り継ぐ各駅停車の車両が新しくなっていました。真新しい照明に照らし出された車内が妙に明るい。向かいの座席に座っている若い男もお姉さんも疲れて眠っている。白い車内でじっとしている乗客を見ながら、まるで白いボールの中の弱った金魚みたいだと思った。それぞれの駅で降りてそれぞれの水槽に戻っていく。つかの間を過ごす白い空間。これからどうなるかわからない。金魚と同じくらい先のことが見えない、弱々しい存在。

それもこれもRadio Deptの音に浸っていると湧き上がってくる不思議な妄想。スウェーデンのエレクトロ・ドリーミーサイケ・バンド。彼らの音楽はまるで金魚鉢の中で聞いているよう。ぴしゃぴしゃと水がはねるようなドラムマシーン。サーッと校庭に降りしきる雨音のようなギターワーク。夢見心地にまどろむ。まるで水中を漂っているかのように、ぼやっとしたものに包まれる。感情も意識もミニチュアに縮小されたかのような箱庭感覚。誇張された反響音とメランコリックで美しいメロディが織り成す非現実的な仮想音空間。彼らの音楽は思考をメルトダウンさせてしまう。

久しぶりの大雨の中を傘を差しながら歩く。傘のふちからぼたぼた落ちるしずくの向こうに見える夜景は、ゆらゆらとぼやけている。アルバムタイトルは「ペットの悲しみ(Pet Grief)」。金魚だけのことを指したタイトルではないのだなあと、ボーっと考えながら歩く。


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