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Echo & The Bunnymen - Porcupine [Artist D-F]

80年代のエコバニは尖っていた。時に快の領域からはみだし、きりきりした緊張感を強いるサウンドは、剃刀のように切れ味するどく、容易に聞き手を寄せ付けなかった。Ian McCullochはすべてを否定する勢いで毒舌を吐き、自らを孤高の孤独の中に追い込むような態度に徹していた。ニューウェーブバンドの中でも際立った美意識を放つインテリっぽさ。その美学は初期数枚の息を呑む美しいアルバム・ジャケットに集約されていた。自然の美を切り取った構図なのに、カレンダー写真のようなゆるさがない。スパッと切り取ったその断面に、自然の持つもう一つの理不尽で残酷な側面が映りこんでいるからだと思います。

本作の凍りつくようなジャケットそのものに、ここで鳴らされる音は冷たい。聴覚として冷たく痛く感じる。魔力を持ったIanの声、金属機械のようなWillのギター。妥協しない厳しさが隅々から伝わってくる。このヒンヤリ感が彼らの存在感を際立たせていた。

その後のエコバニは、バンドのごたごたなどいろいろありながらも、雪解けするように暖かい、融和したサウンドに移行していった。今にまで続くその流れを、筆者は否定しない。妥協だとも思わない。単純に美学の進化だと思う。冷たさをかっこよく決めるスタイルから、流麗さを魅せるスタイルへの変化。メロディアスで親しみやすくなることで、時代の中に新たな自分たちの居場所を見つける。そこは決してメインストリームではない。誰もいない孤独な平原。甘いけれども、聞き手に甘えさせない。自分にも甘えない。孤高を貫く点で美学は一貫しているのです。


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