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Bloc Party - Silent Alarm [Artist A-C]

ここ数年のニュー・バンド・ブームの中で、マイルストン的なポジションに収まりつつある作品。ひとことでいえば、過去の膨大な音楽史の資産の中から、独自の視点で音を抽出し、ロック・バンドというやや沈滞化した表現媒体を再活性化して届ける、という今の潮流の基礎を作った。パーツとしては目新しさはない。しかし総体としては、聞いたことのない新鮮な響きを持つ。何よりもバンド・フォーマットの持つ突風のような勢いを感じさせてくれた。

バンドとは何か。ターンテーブルとDJ。計算されつくしたアイドル・シンガー。ギャング化するヒップホッパー。そんな類型化する状況の中で、音を掴み取り、聞き手にダイレクトにぶつけるリアルな存在としての「ロック・バンド」を問い直す。Bloc Partyの出現からは、そんな主張を感じた。

一方で、目くるめく速さで進化し、多産多死が常態化するデジタル・ワールドにおいて、どんどん匿名化していくミュージシャンのアイデンティティを再獲得する意味もあった。彼らが、メガバンドの象徴であるU2のようであったり、無名のインディーバンドのようであったりする必然性はそこにある。自分達が何者であるかをきちんとしておきたい。バンドとしてのアイデンティティの追求そのものが音の中に込められていた。

失われつつあるアイデンティティと、バンドの復権という対抗策。Bloc Partyが体現してみせた現代の音楽界が抱える構造的な問題は、あまりに未来を予見していた。思うにそれが彼らの発する「Silent Alarm(無言の警報)」だったのでしょう。


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