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Spacemen 3 - Dreamweapon [Artist S-U]

パンクの功績のひとつは、深く考えなくてもいい、衝動の赴くままでいいじゃないか、という方法論に市民権を与えたこと。Spacemen 3は、その部分のみを承継し、ひたすら快楽の衝動の渦の中でおぼれ続けたバンド。

音楽的な深みはない。もちろん「音楽的深み」とは何だと突っ込まれることは承知のうえですが、そもそも音楽的云々を語られることをあらかじめ想定していないバンドであることは確か。大体において同じ曲であってもタイトルを変えたりアレンジを変えたり、何度でも繰り返し使ってしまう。曲の展開も単純極まりなく、2コードを延々と繰り返す程度。そして皮肉か偶然か、そんな単純さが病みつきにさせてしまう。

声を大にして「すばらしいバンド」といえない後ろめたさを抱えつつ、ときどき無性に聞きたくなり、iPodのプレイリストに常駐する。ロックの中毒性のみを表現することに成功している点においては、もしかして本当にすごいバンドだったのかもしれない。

そんな中毒の「もと」だけを抽出したのが本作。44分間、延々とワンコードが呪文のように響く世界。同じようなテーマで音だけが変わったEcstasyの9分バージョンが立て続けに2曲。多少、曲の体裁を持った楽器の絡み合いのJamが15分。これをそもそも音楽と呼んでいいのかという疑念を生じさせつつ、そのまま気づくと快楽のつぼの中にはまっている。

前衛音楽との一番の違いは、観念的に見えて、きわめて肉感的なこと。頭で聞くというより、頭が筋肉になってアミノ酸を吸収するように入っていくこと。ああ、今日もそんな処方箋を必要としてしまう。私は健康になっていくのか、廃人になっていくのか。考える猶予の隙間も与えず、ノイズが埋め尽くす。埋め尽くされることが快楽なのでしょう、きっと。


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