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The Pretenders - The Pretenders [Artist P-R]

1980年。父親から譲ってもらった古いラジオ。FENを「発見」して、ビルボード・アメリカン・トップ40を必死にむさぼり聞いていた幼い日々。AMのモノトーンな音の中でも、Brass In Pocketはぴっかぴかに光っていて、星のかけらでも集めるように一音一音を大切に聞いた。Stop Your Sobbingを聞いたときには、「泣くんじゃないよ」という歌詞とはうらはらに、きらきらのギターに何度も泣きそうになった。カセットテープに録音したKidを含めた3曲は、ずっと宝物だった。何度も聞くと音がかすれていくので、特別なときしか聞かない。我慢ならないときとか、泣いちゃダメなときとか。

アルバムはずっと後になって聞いた。その頃にはパンクとかもわかっていたから、意外にも全編パンクっぽいのを知って、2度目の発見をした。Learning To Crawlを聞いて立ち直るChrissieは本当にすごいと思った。この頃、自分のギターの好みは完全にStop Your Sobbingによって定義されてしまっていることを悟った。Kinksにはまり、Nick Loweにもはまった。

Ray Daviesと結婚したことを知ってものすごく嬉しくて、別れたことを知ってものすごく納得した。Everything But The GirlがカバーしたKidにまたも涙した。

そのうちだんだん離れていった。年を取るにつれ、いろんなことに忙しくなった。きっと2000 Miles離れていたんだろう。「クリスマスになったら、きっと帰ってくるよ」。そんな風に心のどこかで思っていたのかもしれない。

2006年。初期2枚が再発されたが、たいした話題にならなかった。それぞれにおまけディスクがついていて、こういうのはハズレるとわかっているのについつい反応してしまう。未発表ライブにデモ。再びStop Your Sobbingに出会った。Nick Loweが仕上げる前の荒削りで、無垢なPretenders。死んでしまったJames Honeyman-ScottもPete Farndonもそこにいる。まだ生まれる前の卵の状態。26年前の星のかけら。

Chrissie Hynde率いるPretendersは、今、The Whoのツアーのサポートで回っているらしい。まだまだくたばってはいない。きっとあきらめることも、引退することもこの人の中にはないのだろう。どんなときにも装って(Pretend)きたそのままに、今日も突っぱねてくれる、「ぐずぐず泣いてるんじゃないよ」と。


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