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Mouse On Mars - Iaora Tahiti [Artist M-O]

ボーカルがなく、音の「印象」を表現の主体とするエレクトロニカ/アンビエント・ミュージックには二種類あります。人の内部、すなわち心象風景を表そうとするものと、人の外、すなわち環境や空間を表そうとするもの。内省的、外向的と言ってもいい。Mouse On Marsはその両方を行ったり来たりする。だから暗くもならず、ムード音楽にもならず、豊かな表現力を手に入れることができている。

「これは皆様ご存知のことでしょうが、すべての人々は『ステレオ』で聞いているのです」。思わずのけぞるまっすぐな日本語のアナウンスで幕を開けるStereomissionは、そのものずばり、私たちの両耳から入る音が、頭の中の神経回路をどのようにたどっていくかを実況中継していく「内部の音」。一方で、Saturday Night Worldcup Fieberは、車のボンネットに乗って笛を吹くフーリガンを遠くから眺める情景を思い起こさせる「外部の音」。ただ全体に共通するのは、心の中も、窓の外の世界も、ものすごく簡単な音の規則の中にデフォルメしていること。装飾しない、あえてチープに聞こえる合成音だけを使う。例えて言うならば、1677万色フルカラーディスプレイに映すのではなく、256色のポスタライズされた絵の中に描くような。

音の使い方を単純化することで、レトロで作り物っぽい感じを作り出し、かえって人間的なぬくもりを持たせることに成功している。現実をそのままリアルに描写しないほうが、うまく本質を見せることができる。Mouse On Marsのブリキの乗り物から景色を眺めていると、そんなことを考えさせられます。


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