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Ella Fitzgerald - Wishes You A Swinging Christmas [Artist D-F]


定番というものがあります。あたり前すぎて面白くないけれども、わざわざはずしてしまうと、かえって野暮ったい。クリスマスといえばクリスマスツリー。クリスマスツリーといえばニューヨークのロックフェラーセンター。そんなわけで行ってきました。夜の10時過ぎだというのに、小さな子供を連れた家族連れを含めて、観光客で埋まっている。これまたお決まりのスケートリンクで、お決まりのようにみんな滑っている。そして大きな大きなツリー。こことツリーの由来は特にないけれども。ヨーロッパの人がなんと言おうと、いちばん有名なツリーが堂々とここにあります。ああ、これでいいんだな、12月は、と思ってしまう。単純に型にはまることのできる自分の柔軟性に、ちょっとホッとする。

小さいころ、12月になると両親は決まってRoger Wagner Choraleのレコードをかけていました。その清純な歌声が家の中に流れ出すと、もうすぐプレゼントがもらえる、というパブロフ犬的な快感が身体にプログラミングされて、長くクリスマスアルバムの定番のポジションに居座っていました。それは、音楽ものごころがつくようになって、Ellaの本作をはじめて聞くまで続いたものです。

そんなわけで、クリスマスアルバムの定番といえばこれ。Ellaはたくさんクリスマスの歌を歌っていますが、その中でもこれ。クリスマスアルバムを評することは、ある意味でロックフェラーセンターのツリーを評するようなもので、やっぱり野暮ったい。世界中のすべての人が自分のクリスマスアルバムを持っていればいいのですから。

のっけからのJingle Bellが、本当にJingle All The Wayってこういうことなんだ、と感心するくらいサンタのそりに乗ったまんまのウキウキ感に溢れている。あえて言うとすれば、これはトラディショナルな歌曲集でも、ジャズの解釈集でも、クールなクリスマス・オーナメントでもない。小さいころに感じたままのクリスマスの夢気分を、そのまま音楽に変換している。Ellaはすごいというより、聖母的な包容力でそれを成し遂げてしまう。まさに型にはまるとはこういうことなのだと恐れ入る。

ところでツリーといえば、6thアベニューと7thアベニューあたりの路上で、森で切ってきたばかりといった感じのクリスマスツリーを、ずらっと並べて売っていました。ちょうど師走が押し迫ると、スーパーの前で正月飾りが売り出される。あんな感じです。しかし、これもデカイ。ゆうに2メートルはある。こんなものを、言ってみれば銀座通りのような都会のど真ん中で買ってどうするんだろう。ピックアップトラックで乗りつけるのだろうか。それとも5メートルくらいのリムジンに乗るような人が買っていくのだろうか。不思議。あらためてアメリカ人の向こう見ずなデカ気質に恐れ入ってしまったのでした。


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Yeah!!!!

エラのクリスマスソングは聴いたことないのですが、凄く聴いてみたくなりました。聖母的な包容力っていうのがまさにぴったりな表現なんだろうな、というのは聴いたことなくても分かる気がします。今度聴いてみます。
by Yeah!!!! (2006-12-14 17:35) 

鯉三

お久しぶりです。でも、記事はいつも拝見しております。
エラのクリスマスアルバムが毎日職場に流れています。外国人が多いので、そういうことになるのでしょうが、わたしはとても嬉しいです。クリスマス用のCDを編集するのも毎年の楽しみです。今年はジャズで揃えたいと思っています。
by 鯉三 (2006-12-15 02:52) 

ezsin

>Yeah!!!!さん
きっとお気に召すと思います。ぜひ聞いてみてください。Ellaはいろんなソングブックを出しますが、それぞれのテーマに応じてすばらしくフレキシブルに対応しますよね。クリスマスは聖母的である一方で無邪気な少女の味付けも忘れていないので、楽しさ倍増です。

>鯉三さん
こちらこそお久しぶりです!鯉三さんのクリスマスセレクション、すごく興味あります!ぜひブログででも披露してください。
by ezsin (2006-12-15 19:19) 

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