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Sly & The Family Stone - Stand! [Artist S-U]


2006年のグラミー賞で盛大にトリビュートが行われたSly Stone。モヒカン刈りで登場した本人は確かにすごかったですが、どうもこういうセレモニーに違和感を感じます。たいがい取り上げられるのはアフロアメリカン・アーティスト。それも50年代や60年代に活躍していながら、当時のユーロアメリカン(白人)文化への偏重の中で正当に扱われなかったことに対する罪滅ぼし的なにおいが感じられるところが、あまり健康的でない。褒め称えすぎるのも何だか胡散臭い。Slyに対しても、当時のこのアルバムの持っていた音楽的な先進性を本当に評価するならば、お祭りをやって一件落着ではないだろうと苦言のひとつも言ってみたくなる。そう、「Don't call me Islam, Christian!(オレをイスラム野郎あつかいするな、このクリスチャン野郎)」ぐらいの問題発言をぶちかましてもらうくらいで、ちょうどいいはずなのです。でも今のアメリカにそんな度胸はない。

代表曲てんこ盛りの大傑作アルバム。音楽的にはファンクの肉体性に、ロックのラジカリズムをぎゅうぎゅうに詰め込み、破裂寸前の臨界点にある。Jimi Hendrixとはまた異なる、筋肉質で理知的な新たな音楽の可能性を垣間見せてくれた。

しかし過激だ。先に引用したDon't Call Me Nigger, Whiteyは、何でまたここまで言ってしまうのだろう、と思ってしまう。ベトナム戦争、公民権運動。時代の中で感じるうねりと、それを自分がやらねばと真に受けるまじめさ。もちろん対立ではなく、その先の融和を切に願ってのメッセージなのですが、案の定、バッシングを受け、自分の想いとは逆にドラッグにおぼれ、ずぶずぶと沈んでいく孤高の天才ミュージシャン。Everyday Peopleからは彼の理想とする「もっといい世界」が垣間見える。ああ、もっとうまく世渡りできるはずなのに。

もちろん、だからこそのStand!なのです。立つんだ!という強い思いは、すべてに真正面から馬鹿正直に取り組むからこそリアルに私たちに伝わる。ボロボロになりながらも、それでも「こうじゃないのか?」といい続ける。I Want To Take You Higherがこれだけ崇高に響くのも、それだけの高みを目指しているからに他なりません。


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deacon_blue

☆ コメントありがとうございました。スライのような真面目な人が音楽ビジネスの中で弄ばれたのが60年代であり,今さらジミ(ヘンドリクス)をあの世から呼んでお詫びするわけにもいかないので,こういう免罪符のような儀式になってしまうのかもしれません。ただ,あたしはそれでもシルベスター(=スライ)がこっち側にいることにまだホッとしてしまいます。こういう使い捨てに近い例は,父親に殺されたマーヴィンを筆頭に,古くはフランキー・ライモンからリック・ジェームスに至るまで余りにも多過ぎます。生き延びても名前も挙げたくないような人生になってしまったあの人もいるし。。。複雑です。長々と失礼しました_m(..)m_これからも宜しくお願いします。
by deacon_blue (2006-12-24 01:13) 

ezsin

deacon_blueさん、こちらこそよろしくお願いします。
スライにもう一花咲かせて欲しいと思うのは私だけではないはず・・
by ezsin (2007-01-01 17:27) 

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