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Chris Rea - Snow [Artist P-R]

今日からユダヤ教のハヌカ(Hanukkah)が始まるのだそうです。マンハッタンから空港に向かうリムジンサービスの運転手Richさんが、いろいろと教えてくれた。敵に囲まれ、一日分しかなかった油が奇跡的に8日間燃え続けたことで聖地を守ることができた話に基づき、様々なお祝いをする。9本のキャンドルを立てた燭台は中央から火をつけて、あとは一日にひとつずつ、右から順番に火をつけていく。8日なのに9本あるのは、真ん中の1本は他の8本をつかさどる司祭の役割なのだからだそうだ。

油を使った料理が中心で、ジャガイモとたまねぎのパンケーキ、コンビーフのような肉とたまねぎとにんじんをじっくり焼いた「ブリスケット」などを出す。今度の日曜日に親戚を招いて大きなパーティーを開き、自慢の品々を披露するのだそうだ。親戚の中にはカトリックもプロテスタントもいるけれども、自分はオーソドックス(正統派)ではないので、ぜんぜん気にしない。オーソドックスなんてブルックリンではやっていけないよ、という。ついでにJoe Pesciも、Robert De Niroも、ブルックリンなまりは俺たちが教えてやったのさ、と言っていた。

別の日に乗った運転手のEhabさんは、日本でもクリスマスをやるのかい、と聞いてきた。日本人は順応力の民族だから、クリスマスをやった後で神社に初詣に行くのだよ、と教えてあげた。最近は宗教もへったくれもないよね、と彼はいう。自分の彼女はイスラムだけど、何だか偉いヒトをお祭りする式典に、赤いサンタの帽子をかぶっていったよと、肩をすくめてみせた。彼自身は3年前にエジプトからきたという。言われてみれば太古の壁画に描かれていそうな、細見できりりとした面立ちをしている。そういえばエジプトではどんな風にこの時期を祝うのだろう。聞いておけばよかった。

車は人をいろいろなところへ連れて行く。人は事情があっていろんなところに行きたがる。運転手はそんなひとりひとりの願いにひとつひとつ応えている。付き添ってくれるところがなかなかよい。特に自分は行く必要はないのだけれども、乗った人の事情に付き合ってくれる。だから車内はどこか特別。人生の様々な動線が複雑に交錯する中で、たまたまシンクロする不思議なひととき。

昔からずっとChris ReaのDriving Home For Christmasが、この時期の気分にかかせません。一日の仕事を終え、クリスマスを待つ家に向かってドライブしている、という設定がいい。たぶんクリスマスそのものよりも、いろんな想いにふけりながら運転する、このひとときのほうが幸せなのかもしれない。Chrisは運転や道路にちなんだ曲が多い。ハイウェイやら町の裏通りやら。彼自身の音楽も、根無し草。いつもさまよい続ける流浪の風情をたたえている。Snowは小さな企画もののアルバムですが、どこか知らない旅先からふと届いたグリーティング・カードの趣きがある。

今日は朝の3時から仕事をしているんだ、というRich。このあと3件の予約をこなしたら、帰ってハヌカのお祝いを始めるという。一日に一回だけある、自分のために運転する時間。はやく帰れるといいね、Rich。

Driving home for Hanukkah。Flying home to Japan。


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