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Amon Tobin - Permulation [Artist S-U]

同じ芸術表現だからでしょうか、耳で鑑賞する音楽を、目で愛でる絵画になぞらえてしまう傾向が筆者にはあります。Amon Tobinのような、前衛的で、なかなか型にはめにくい音楽を聞くと「アブストラクト(抽象)」が頭に浮かぶ。描いてある対象がはっきりしているわけではない。何かの概念を象徴化されていたり、描く行為そのものを注視していたり、抽象画の解釈はさまざまですが、少なくとも「世に現存する対象物を描く」というルールから解放されている点で共通する。

では音楽における抽象とはどう捉えればいいのだろう。安直ですが、「ジャンル」や「音階」、「和音」など、音楽の基本とされるルールに囚われないことと考えられます。Amon Tobinの本作は、ドラムンベースと捉えることはできますが、型に収まりきれない部分がある。ジャズは崩壊し、クラシカルなフレーズが飛び交い、不協和音が鳴り響き、メロディにまで至らない歌の断片が散乱する。

音楽のルールを越えた表現はどこに向かうのか。Amon Tobinは「リズムのバイブレーション」をテーマとしているように思う。ビートは間違いなく彼の音楽の骨格を成す。それもかなり重厚で力強い。そして彼のビートの骨の周りには、打ち出される一つ一つのビートのバイブレーション(振動)を、強めたり弱めたり、ゆがめたり正したりするための肉が付いている。いろいろな角度に放たれる音群の数々は、ビートとの相互作用の妙を浮き上がらせる。

ビートという中心テーマを彩るために存在する音は、音楽のルールに従う必然はない。耳を通して肉体が感じるバイブレーションと、視野角のところどころに浮かび上がる音のインパクトの残像を追いかけるだけでいい。3Dステレオグラムをボーっと眺めていると、突然見えてくるものがあるように、オープンなマインドで接したときに感じたことのない快感を自覚する。これが正しいPermulationの楽しみ方。


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