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Nas - Hip Hop Is Dead [Artist M-O]

「○○は死んだ」はよく使われる表現。否定的な文脈ではなく、「しっかりしろ」と更正を諭す場合に使われる。Nasも、今のシーンが目に余ると思ったのか、そのものずばりのタイトルを持ってきた。

簡単には説明できないほど、ヒップホップシーンは複雑で根深い。ギャンスタや男尊女卑的内容は批判するのは簡単ですが、背景にある社会的問題や、アーティストたち自身が抱える、あるいは抱えてきた人生と切り離して語るのは難しい。ほとんどのアーティストもわかっていながら演出過剰のスポットライトの中でショーを演じている気がする。

そんなシーンの現実そのものを客観的な視線で、憂いとも激励ともいえない淡々とした調子で描写した始めての作品かもしれない。Eminemも近い認識を持っていますが、彼がもっとしたたかにシーンの実体もエンタテインメントのネタとしてしまうのとはちょっと違う。Not Going Back、Still Dreamingが怖いくらいに静かなところがかえって不気味。Eminemが矛盾を笑い飛ばし、おちょくる力を秘めるのに対し、Nasは違うアプローチを試みている。

どんな状況下でも聞かせなければいけないと突き動かされ、聞かせてしまうところがアフロアメリカンアーティストのすごいところ。StevieもMarvinもSlyもJBも、深い現実認識、批評家精神を持ちながら、文句たらたらの愚痴にではなく、一級の音楽作品に昇華できる力量を持っていた。それがまるで自分達の天命とばかりに素晴らしい音楽を作り続けた。

Jay-Z、Kanye West、The Gameなど当代随一の同胞を集め、これからのヒップホップのあり方を模索する。それが単なる実験に終わらず、明日に向けて希望を持てる光を放っている(Let There Be Light)。まだまだヒップホップに期待を抱かせてくれます。


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