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Suzanne Vega - Suzanne Vega [Artist V-Z]

まもなく日本語版が公開されることで、日本でも間違いなく今年はSecond Lifeがブレイクします。まだまだ発展途上のバーチャルワールドですが、進化と普及が爆発的に進むと予想されます。

音楽においても従来考えられなかったことが起きるでしょう。アバター同士で結成されたSecond Lifeでのみ存在するバンドが「仮想世界的に」ヒットするとか、作曲そのものがオープンソースで行われ、自己組織的にヒットチャートが生まれる仮想ミュージックシーンが形成されるとか。現実世界が著作権云々でもたもたしている間に、革新的なサウンドが次々生まれてくるかもしれません。

さて、そんなSecond Lifeではじめて行われたメジャーアーティストのライブがSuzanne Vegaだったことは、長年のファンにとってはとてもうれしいことでした。YouTubeで彼女のアバターの演奏を見ることができますが、ぎこちない動きが、とても彼女らしいと思いました。

「あちこちで何かが割れる、壊れる、折れる(Cracking)」と歌って彼女はデビューしました。厳寒のニューヨーク・セントラルパーク。吐く息の白さをそのまま音符にしたかのような透徹したギター。ピシッと割れたのは凍りついた枝なのか、私の中の張り詰めた神経の糸なのか。

彼女が世界を見つめる視点がここにあります。それはその後、DVに耐える小さな子供を語るとき(Luka)も、街の定食屋さんにいるとき(Tom's Diner)も一貫して変わりません。常に張り詰めた緊張感。かろうじて支えている私たちの日常と、そのもろさ。一日じゅう薄氷の上を歩きながら、今日も氷は割れなかったと床につく毎日。

はじめて本作を聞いたとき、筆者の中でも何かが壊れ、何かが始まりました。今ある自分の何かがここを基点にしています。Neighborhood Girls。「背骨をなくしちゃったの。探さなくちゃ先にいけないわ」。Suzanne Vegaの透明で澄んだ瞳を通して見えたのは、背骨のない自分でした。なよなよと床に崩れそうになりながら、今でも彼女の作品の中に失われた背骨を求めている気がします。

Second LifeのぎこちないSuzanne Vegaにも背骨がなかった。いやバーチャルな私たちの誰もがまだ背骨を持っていないのかもしれません。夢を追いながら、この先何が待っていて、何が壊れるのか誰もわかりません。そんな薄氷のような世界を、今までと同じようにSuzanneのアバターは見つめ、静かに歌にし続けてくれるでしょう。


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コメント 2

鯉三

大学1年生の時、カナダ人の英語の先生が授業中に聞かせてくれたのがSMALL BLUE THINGでした。今でもアルバム・SUZANNE VEGA、SOLITUDE STANDINGは時々聴いています。
by 鯉三 (2007-01-23 02:54) 

ezsin

よほど印象に残っているんですね。すごくわかる気がします。Suzanneの声はとてもクリアですから。
Solitude Standingもいいアルバムです。
by ezsin (2007-01-23 21:08) 

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